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イノベンティア・リーガル・アップデート

タグ : 特許法

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

サブコンビネーション発明にかかる特許権の間接侵害を認めた「薬剤分包用ロールペーパ」事件大阪地裁判決について

大阪地方裁判所第21民事部(谷有恒裁判長)は、平成30年12月18日、サブコンビネーション発明にかかる特許権の間接侵害を認める判決をしました。同判決は、他のサブコンビネーションに「用いられ」との記載が用途による限定をしたものでなく、また、間接侵害について、実質的な観点から「のみ」要件の充否の認定を行っています。異なる2つの観点から用途について判断を示した判決として参考になります。

控訴審における新規性欠如の主張と時機に後れた攻撃防御方法に関する「連続貝係止具とロール状連続貝係止具」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、本年(2018年)11月26日、具体的事実関係に照らして、控訴審における新規性喪失の主張が時機に後れた攻撃防御方法に該当すると認めつつも、訴訟の完結を遅延させることになると認めるに足りる事情はないとして、被控訴人の主張を却下し、原判決を取り消して被控訴人(一審原告)の請求を棄却しました。

「ステーキの提供システム」は特許法上の発明に該当しないとした特許庁の決定を、知財高裁が取り消した判決について

平成30年10月17日、知財高裁第2部(森義之裁判長)は、「ステーキの提供システム」にかかる発明が特許法上の「発明」に該当するか否かを争点とした特許取消決定取消請求事件において、特許庁による発明該当性なしとの判断に誤りがあったとして、特許庁の決定を取り消しました。本判決は、いわゆる「ビジネス関連発明」の発明該当性の判断事例として興味深い争点を含みますので、紹介致します。

刊行物公知における刊行物の記載の程度に関するマイコプラズマ・ニューモニエ検出用試験デバイス事件知財高裁判決

知的財産高等裁判所第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、本年(2018年)11月6日、特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」は引例から抽出可能な具体的な技術的思想であって、物の発明の場合には刊行物の記載と技術常識から当業者がその物を作れることが必要であるとの規範を示し、その適用を示す判決をしました。

平成16年改正前特許法35条3項に基づいて職務発明対価の支払を命じた「Felica」事件東京地裁判決について

平成30年5月29日、東京地裁民事第46部は、「Felica」と呼ばれる非接触型ICチップを利用するICカード等に係る技術を巡る職務発明対価請求事件について、3181万8836円及び遅延損害金の支払を被告(ソニー)に命じました。平成16年改正前特許法35条の下において相当の対価を算定した新たな一例として実務上参考になります。

非充足を理由とする特許権侵害訴訟の棄却判決確定後の訂正審決と再審請求の許否に関する「装飾品鎖状端部の留め具」事件知財高裁決定について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、平成30年9月18日、特許権侵害訴訟で敗訴が確定した特許権者が後に訂正審決を得て再審請求をした事案において、特許権者の主張は、特許法104条の4の規定の趣旨にかなわないものとして許されないとの判断を示しました。侵害訴訟では無効主張がなされず、特許権者は非充足で敗訴していました。

補正における新規事項の追加を理由とする拒絶審決を取り消した染毛剤事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、平成30年8月22日、拒絶査定不服審判において新規事項の追加を理由に補正を却下し、請求不成立とした拒絶審決を取り消す判決をしました。判決は、ソルダーレジスト事件知財高裁大合議判決に沿って、特許請求の範囲に、明細書に明示的記載がない限定を付加するに際し、第三者が製造販売する特定の製品の構成を技術常識として考慮し、明細書の記載から自明の事項を認定しています。

審決の判断に遺漏はなかったと判示したカプコン対コーエーテクモゲームス審決取消訴訟事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部は、平成30年(2018年)7月19日、カプコンが保有する「遊戯装置、およびその制御方法」の特許の有効性について争われた審決取消訴訟において、審決の判断に遺漏はなく、審決が認定したとおり、特許有効(無効審判請求不成立)と判断しました。

均等第1要件「本質的部分」の認定方法を示した「携帯端末サービスシステム」(アメーバピグ)事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(高部眞規子裁判長)は、本年(平成30年)6月19日、均等第1要件にいう「本質的部分」についてマキサカルシトール事件大合議判決に示された認定手法に従い、均等侵害の成立を否定する判決をしました。明細書に記載のない先行技術を参酌して本質的部分の認定を行っています。

特許法等の改正(新規性喪失の例外期間の延長)について

平成30年5月23日、「不正競争防止法等の一部を改正する法律」が成立し、同月30日に公布されました。改正事項は多岐にわたりますが、特許法(とこれを準用する実用新案法)及び意匠法については、新規性喪失の例外期間を従前の6か月から1年に延長する改正が行われ、同年6月9日に施行されています。

外国での実施行為による逸失利益の損害算入と域外適用否定の推定原則に関するWesternGeco米連邦最高裁判決について

米連邦最高裁判所は、本年(2018年)6月22日、同国特許法274条(f)(2)及び284条の適用において、主要な侵害行為が米国内で行われている限り、その結果海外で行われる実施行為によって生じた逸失利益も損害の算定根拠となることを認める判決をしました。

IPR(当事者系レビュー)の合憲性を承認したOil States 事件米連邦最高裁判決について

米連邦最高裁判所は、本年(2018年)4月24日、Oil States 事件において、特許の有効性を米国特許商標庁(USPTO)で争うIPR(当事者系レビュー)は、合衆国憲法に反するものではなく、合憲であるとの判断を示しました。司法権に関する合衆国憲法第3条と、陪審裁判を受ける権利に関する修正第7条との適合性が争われましたが、裁判所はいずれについても合憲としました。

ロシア知的財産法 (4) – 特許法に関する制度紹介 (Патентное право)

本稿では、ロシアにおいて特許権の対象となる発明(изобретение)、実用新案(полезная модель)および工業意匠(промышленный образец)を取り上げ、それぞれの法的効力を発生させるための要件や他の注意点について解説します。また、特許権の内容としてどのような権利があり、どのような法的保護を受けられるかに焦点を当てたいと思います。

冒認特許権の行使と不当訴訟に関する「螺旋状コイルインサートの製造方法」事件東京地裁判決について

東京地方裁判所民事第40部(佐藤達文裁判長)は、冒認出願によって得た特許権を行使した特許権者に対し、冒認特許であることを「知りながら、又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起した」ことは裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものとして、不法行為に基づく損害賠償を命じました。

ゲームソフト「戦国無双」及び「零」の特許権侵害に関するカプコン対コーエーテクモゲームス事件大阪地裁判決について(2)

大阪地方裁判所第26部は、本年12月14日、プレイステーション2等向けのゲームソフトである「戦国無双」シリーズ等及び「零」シリーズの特許権侵害について判断した判決を言い渡しました。

ゲームソフト「戦国無双」及び「零」の特許権侵害に関するカプコン対コーエーテクモゲームス事件大阪地裁判決について(1)

大阪地方裁判所第26部は、本年12月14日、プレイステーション2等向けのゲームソフトである「戦国無双」シリーズ等及び「零」シリーズの特許権侵害について判断した判決を言い渡しました。

審決取消判決による進歩性判断の拘束力の客観的範囲に関するドキセピン誘導体含有局所的眼科用処方物事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第4部(髙部眞規子裁判長)は、本年11月21日、特許無効審判の審決取消訴訟において審決が取り消された場合の判決の拘束力に関し、「付言」の形ながら、前の審判における進歩性欠如の議論において主張されず、審決取消訴訟裁判所が明示的に判断しなかった顕著な効果に関する主張であっても、特許庁がこれを後の審判手続で審理したのは、一回的解決や訴訟経済に反し、取消判決の拘束力に関する行政事件訴訟法33条1項の趣旨に照らして問題があった、との判断を示しました。

新規性喪失の例外の手続要件と国内優先権主張出願との関係に関する「NK細胞活性化剤」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、本年(2017年)11月30日、基礎出願において新規性喪失の例外の適用を求めつつ、国内優先権主張出願において書類の提出を怠った場合について、その後の分割出願においても新規性喪失の例外の適用を受けられないとの判決をしました。

特許法74条1項に基づく移転登録請求権(発明者取戻請求権)の立証責任に関する「臀部拭き取り装置」事件大阪地裁判決について

大阪地方裁判所民事第26部(高松宏之裁判長)は、本年(2017年)11月9日、特許法74条1項に基づく移転登録請求訴訟(いわゆる発明者取戻請求)において原告に求められる主張立証責任の内容を示しました。

物の組成と物性によって特定される発明のサポート要件及び実施可能要件の充足に関する「光学レンズ」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部は、本年10月25日、構造(組成)と特性(物性)の双方を数値限定によって特定した物の発明について、サポート要件及び実施可能要件の判断の枠組みを示す判決をしました。

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