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イノベンティア・リーガル・アップデート

裁判例情報(特許・意匠)

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

再度の審決予告の要否は前の審決予告による実質的な訂正の機会の有無によって決まるとした「液晶表示デバイス」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(高部眞規子裁判長)は、平成31年3月20日、特許無効審判で審決の予告がなされ、訂正の請求がなされた後に、審決の予告までに主張されていた無効理由に基づいてなお特許を無効にすべきものと判断される場合において、どのような要件のもとで再度審決の予告をする必要があるかという問題について、前の審決の予告において当該無効理由について予告がなされ、実質的に訂正の機会が与えられているかによって判断すべきであるとの考え方を示しました。

共同無効審判請求人の一部を被告とする無効審決取消訴訟を却下した二次元コード事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(高部眞規子裁判長)は、平成30年12月18日、複数の請求人によって請求された特許無効審判において無効の審決がなされたのに対し、特許権者が、一部の請求人のみを被告として審決取消訴訟を提起したという事案において、被告とならなかった請求人との関係においては出訴期間の経過によって無効審決が確定し、その結果特許権は初めから存在しなかったものとみなされるから、審決取消訴訟は訴えの利益を欠くとの理由で訴えを却下しました。

冒認出願を無効理由とする審決取消判決(冒認認定)の拘束力についての判断を示した知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、2019年3月6日、冒認出願を認定した審決取消判決の拘束力に従ってなされた特許無効審決を適法とし、その後の取消請求訴訟事件において、当事者が新たな証拠や主張に基づいて冒認出願であるとの審決判断を争うことは、先になされた審決取消判決の拘束力に反するものであり許されないとして、原告の請求を棄却しました。

確認の訴えの却下判決に対する控訴審における訴えの追加的変更申立てを許さなかった知的財産高等裁判所判決について

知的財産高等裁判所は、訴え却下判決に対する控訴審における訴えの追加的変更の申立てについて、特段事情のない限り、相手方の審級の利益を害し、訴訟手続を著しく遅延させるおそれがあることから、許されない、と判断しました。

原審口頭弁論終結前になされた特許無効審決と同一の無効理由を抗弁とする控訴審主張と時機に後れた攻撃防御方法に関する知財高裁判決について

特許権侵害訴訟においては、提出可能な攻撃防御方法は適時に提出することが重要ですが(適時提出主義)、一定の要件のもとでは、侵害論についての審理終了後であっても、新たな無効抗弁の主張が時機に後れた攻撃防御方法に該当しないと判断されました。

権利不行使の陳述と債務不存在確認の訴えにおける確認の利益に関する「樹脂フィルムの連続製造方法及び装置及び設備」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(高部眞規子裁判長)は、昨年(2018年)12月25日、特許権者が被疑侵害品のメーカーに対して権利を行使しておらず、また、権利行使をしない旨の和解をする意思があると裁判所で述べていても、当該メーカーの顧客に対して米国訴訟が提起されていることや、前提として損害賠償請求権を有していると述べていることを根拠として、メーカーが特許権者に対して提起した債務不存在確認の訴えについて確認の利益を認めました。

特許無効審判で認められなかった訂正にかかる発明の審決取消訴訟における進歩性判断の拘束力に関する導電性材料事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第4部(大鷹一郎裁判長)は、本年(2019年)2月26日、訂正請求を否定した特許無効審判の審決に対し、審決取消訴訟裁判所が訂正は認められるべきものであるとの判断をし、さらに進んで、原審決ではなされていない訂正発明と引用発明の対比に基づく進歩性判断を行ったという事例において、当該進歩性判断にも特許庁や後訴裁判所に対する拘束力が生じるとの考え方を示しました。

AIA施行後も秘密保持義務を課された者への販売がOn-Sale Barの対象となるとしたHelsinn Healthcare米連邦最高裁判決について

米連邦最高裁判所は、本年(2019年)1月22日、Helsinn Healthcare事件において、リーヒ・スミス米国発明法(AIA)施行後も特許法102条(a)(1)(旧102条(b))の「on sale」の意味は変更されておらず、特許発明の実施品が販売されたときは、その購入者が秘密保持義務を負う者である場合においても、新規性判断における先行技術としての適格性を有するとの判断を示しました。

特許無効審判における有効審決確定後の特許無効の抗弁の主張の許否に関する「美肌ローラ」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、昨年(2018年)12月18日、特許無効審判において有効審決が確定した特許について、同一の事実及び同一の証拠に基づき特許権侵害訴訟における特許無効の抗弁ないし権利濫用の抗弁を主張することは、特段の事情がない限り、訴訟上の信義に反し許されないとの判断を示しました。

控訴審における新規性欠如の主張と時機に後れた攻撃防御方法に関する「連続貝係止具とロール状連続貝係止具」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、本年(2018年)11月26日、具体的事実関係に照らして、控訴審における新規性喪失の主張が時機に後れた攻撃防御方法に該当すると認めつつも、訴訟の完結を遅延させることになると認めるに足りる事情はないとして、被控訴人の主張を却下し、原判決を取り消して被控訴人(一審原告)の請求を棄却しました。

「ステーキの提供システム」は特許法上の発明に該当しないとした特許庁の決定を、知財高裁が取り消した判決について

平成30年10月17日、知財高裁第2部(森義之裁判長)は、「ステーキの提供システム」にかかる発明が特許法上の「発明」に該当するか否かを争点とした特許取消決定取消請求事件において、特許庁による発明該当性なしとの判断に誤りがあったとして、特許庁の決定を取り消しました。本判決は、いわゆる「ビジネス関連発明」の発明該当性の判断事例として興味深い争点を含みますので、紹介致します。

刊行物公知における刊行物の記載の程度に関するマイコプラズマ・ニューモニエ検出用試験デバイス事件知財高裁判決

知的財産高等裁判所第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、本年(2018年)11月6日、特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」は引例から抽出可能な具体的な技術的思想であって、物の発明の場合には刊行物の記載と技術常識から当業者がその物を作れることが必要であるとの規範を示し、その適用を示す判決をしました。

平成16年改正前特許法35条3項に基づいて職務発明対価の支払を命じた「Felica」事件東京地裁判決について

平成30年5月29日、東京地裁民事第46部は、「Felica」と呼ばれる非接触型ICチップを利用するICカード等に係る技術を巡る職務発明対価請求事件について、3181万8836円及び遅延損害金の支払を被告(ソニー)に命じました。平成16年改正前特許法35条の下において相当の対価を算定した新たな一例として実務上参考になります。

非充足を理由とする特許権侵害訴訟の棄却判決確定後の訂正審決と再審請求の許否に関する「装飾品鎖状端部の留め具」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、平成30年9月18日、特許権侵害訴訟で敗訴が確定した特許権者が後に訂正審決を得て再審請求をした事案において、特許権者の主張は、特許法104条の4の規定の趣旨にかなわないものとして許されないとの判断を示しました。侵害訴訟では無効主張がなされず、特許権者は非充足で敗訴していました。

補正における新規事項の追加を理由とする拒絶審決を取り消した染毛剤事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、平成30年8月22日、拒絶査定不服審判において新規事項の追加を理由に補正を却下し、請求不成立とした拒絶審決を取り消す判決をしました。判決は、ソルダーレジスト事件知財高裁大合議判決に沿って、特許請求の範囲に、明細書に明示的記載がない限定を付加するに際し、第三者が製造販売する特定の製品の構成を技術常識として考慮し、明細書の記載から自明の事項を認定しています。

審決の判断に遺漏はなかったと判示したカプコン対コーエーテクモゲームス審決取消訴訟事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部は、平成30年(2018年)7月19日、カプコンが保有する「遊戯装置、およびその制御方法」の特許の有効性について争われた審決取消訴訟において、審決の判断に遺漏はなく、審決が認定したとおり、特許有効(無効審判請求不成立)と判断しました。

均等第1要件「本質的部分」の認定方法を示した「携帯端末サービスシステム」(アメーバピグ)事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(高部眞規子裁判長)は、本年(平成30年)6月19日、均等第1要件にいう「本質的部分」についてマキサカルシトール事件大合議判決に示された認定手法に従い、均等侵害の成立を否定する判決をしました。明細書に記載のない先行技術を参酌して本質的部分の認定を行っています。

外国での実施行為による逸失利益の損害算入と域外適用否定の推定原則に関するWesternGeco米連邦最高裁判決について

米連邦最高裁判所は、本年(2018年)6月22日、同国特許法274条(f)(2)及び284条の適用において、主要な侵害行為が米国内で行われている限り、その結果海外で行われる実施行為によって生じた逸失利益も損害の算定根拠となることを認める判決をしました。

審決取消訴訟の訴えの利益と刊行物記載の化合物の一般式に多数の選択肢がある場合の進歩性判断に関するピリミジン誘導体事件知財高裁大合議判決

知的財産高等裁判所特別部(大合議)は、ピリミジン誘導体の特許の有効性について問題となった審決取消訴訟について、平成30年(2018年)4月13日、①審決取消訴訟の訴えの利益、②刊行物に記載された化合物の一般式が膨大な数の選択肢を有する場合の引用発明の認定、③進歩性判断に関する主張・立証責任について判断しました。

IPR(当事者系レビュー)の合憲性を承認したOil States 事件米連邦最高裁判決について

米連邦最高裁判所は、本年(2018年)4月24日、Oil States 事件において、特許の有効性を米国特許商標庁(USPTO)で争うIPR(当事者系レビュー)は、合衆国憲法に反するものではなく、合憲であるとの判断を示しました。司法権に関する合衆国憲法第3条と、陪審裁判を受ける権利に関する修正第7条との適合性が争われましたが、裁判所はいずれについても合憲としました。

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