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イノベンティア・リーガル・アップデート

年別アーカイブ: 2018年

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

控訴審における新規性欠如の主張と時機に後れた攻撃防御方法に関する「連続貝係止具とロール状連続貝係止具」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、本年(2018年)11月26日、具体的事実関係に照らして、控訴審における新規性喪失の主張が時機に後れた攻撃防御方法に該当すると認めつつも、訴訟の完結を遅延させることになると認めるに足りる事情はないとして、被控訴人の主張を却下し、原判決を取り消して被控訴人(一審原告)の請求を棄却しました。

商標審決アップデート(Vol.12)結合商標の類否に関する審決等

商標の審査・審判における判断の傾向は時代により変化しますので、その傾向を把握するためには審決や異議の決定を継続的にチェックする必要があります。商標審決アップデートでは、定期的に注目すべき商標審決をピックアップし、情報提供していきます。今回は、商品の一般名称とその他の文字を組み合わせた結合商標の類否に関する審決を中心に取り上げております。

ソフトウェアの画面が不正競争防止法2条1項3号の「商品の形態」に該当し得ることを認めた「教育用教材ソフト」事件東京地裁判決について

平成30年8月17日、東京地方裁判所民事第40部は、教育用教材に関するソフトウェアに対する不正競争防止法上の商品形態模倣行為の成否が問題となった事案について、判決を言い渡しました。請求棄却判決ではあるものの、東京地裁は、ソフトウェアの画面が同法2条1項3号の「商品の形態」に該当し得ることを明言しました。

「ステーキの提供システム」は特許法上の発明に該当しないとした特許庁の決定を、知財高裁が取り消した判決について

平成30年10月17日、知財高裁第2部(森義之裁判長)は、「ステーキの提供システム」にかかる発明が特許法上の「発明」に該当するか否かを争点とした特許取消決定取消請求事件において、特許庁による発明該当性なしとの判断に誤りがあったとして、特許庁の決定を取り消しました。本判決は、いわゆる「ビジネス関連発明」の発明該当性の判断事例として興味深い争点を含みますので、紹介致します。

商標登録異議申立てにおける維持決定の取消と取消決定の義務付けを求める訴えを却下した「APPLE WATCH」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(高部眞規子裁判長)は、本年(2018年)7月10日、商標登録異議申立てにおける維持決定の取消や、取消決定の義務付け、維持決定に対する不服申立てを制限する商標法43条の3第5項の違憲確認等を求める訴えがいずれも不適法であるとして却下しました。

営業秘密領得罪における図利加害目的の認定に関する日産自動車営業秘密漏洩事件最高裁決定について

最高裁判所第二小法廷(山本庸幸裁判長)は、本年(平成30年)12月3日、日産自動車営業秘密漏洩事件の刑事事件において、営業秘密領得罪を規定する不正競争防止法21条1項3号の「不正の利益を得る目的」の認定を示しました。

刊行物公知における刊行物の記載の程度に関するマイコプラズマ・ニューモニエ検出用試験デバイス事件知財高裁判決

知的財産高等裁判所第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、本年(2018年)11月6日、特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」は引例から抽出可能な具体的な技術的思想であって、物の発明の場合には刊行物の記載と技術常識から当業者がその物を作れることが必要であるとの規範を示し、その適用を示す判決をしました。

商標審決アップデート(Vol.11)商標の識別力に関する審決等

商標の審査・審判における判断の傾向は時代により変化しますので、その傾向を把握するためには審決や異議の決定を継続的にチェックする必要があります。商標審決アップデートでは、定期的に注目すべき商標審決をピックアップし、情報提供していきます。今回は、3条拒絶(識別力を有しないことを理由とする拒絶)に関する異議の決定及び審決を取り上げております。

職務発明の相当の対価請求権の消滅時効の起算点と債務承認の成否に関する「ネットワークリアルタイムオークション方法」事件知財高裁判決

知的財産高等裁判所第4部(高部眞規子裁判長)は、平成30年5月14日、職務発明規程のない会社で生じた職務発明について特許を受ける権利を会社が承継した場合の相当の対価請求権について、その消滅時効期間の起算日は特許を受ける権利が会社に承継された日であるとするとともに、会社が、その後に設けられた職務発明規程に基づいて報奨金の支払いを提案したとしても、具体的な事情に照らして消滅時効の中断事由には該当せず、また、交渉決裂後に消滅時効を援用することは信義則に反しないとの判断を示しました。

テレビゲームの名称及びキャラクターに関する不正競争行為を認めた「マリカー」事件東京地裁判決について

平成30年9月27日、東京地方裁判所民事第46部は、テレビゲームの名称及びキャラクターに関する不正競争行為及び著作権侵害行為が問題となった事案について、被告会社の行為の一部に不正競争防止法上の周知表示混同惹起行為及びドメイン名に係る不正行為の成立を認め、各使用行為の差止め及び1000万円の損害賠償を命じました。

非純正品を販売するウェブサイトのタイトルタグ・メタタグの表示について商品等表示性を肯定したタカギ事件東京地裁判決

東京地方裁判所民事第46部(柴田義明裁判長)は、平成30年7月26日、非純正品を販売するウェブサイトに用いられている「タカギ 取付互換性のある交換用カートリッジ・・・」等のタイトルタグ・メタタグにおける「タカギ」等の表示が、不正競争防止法2条1項1号の商品等表示に該当するとして、損害賠償請求を認容する判決を言い渡しました。

称呼同一商標の類否及び商品の類否に関する判断を示した「TENRYU」審決取消訴訟事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、平成30年8月29日、称呼同一商標「TENRYU」と「天龍」の類否及び「金属加工機械器具用刃物」と「金属加工機械器具」等の商品の類否が争われた事案について判決をしました。

育成者権侵害を理由に差止め及び6678万円余の損害賠償を命じた「しいたけ」事件東京地裁判決について

平成30年6月8日、東京地方裁判所民事第40部は、登録品種であるしいたけが無断譲渡等をされたという育成者権侵害の成否が争われた事案について、収穫物(しいたけ)の生産等の差止め及び6678万円余の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。種苗法関係の裁判例は数が少ないうえ、請求が認容された点で実務上参考になります。

フラダンスの振付けに著作物性を認めた大阪地裁判決について

大阪地方裁判所民事第26部(高松宏之裁判長)は、本年(平成30年)9月20日、フラダンスの特定の振付けに著作物性を認め、被告によるフラダンスの上演及び第三者に上演させることの差止及び損害賠償の請求を認容する判決をしました。

平成16年改正前特許法35条3項に基づいて職務発明対価の支払を命じた「Felica」事件東京地裁判決について

平成30年5月29日、東京地裁民事第46部は、「Felica」と呼ばれる非接触型ICチップを利用するICカード等に係る技術を巡る職務発明対価請求事件について、3181万8836円及び遅延損害金の支払を被告(ソニー)に命じました。平成16年改正前特許法35条の下において相当の対価を算定した新たな一例として実務上参考になります。

非充足を理由とする特許権侵害訴訟の棄却判決確定後の訂正審決と再審請求の許否に関する「装飾品鎖状端部の留め具」事件知財高裁決定について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、平成30年9月18日、特許権侵害訴訟で敗訴が確定した特許権者が後に訂正審決を得て再審請求をした事案において、特許権者の主張は、特許法104条の4の規定の趣旨にかなわないものとして許されないとの判断を示しました。侵害訴訟では無効主張がなされず、特許権者は非充足で敗訴していました。

出所明示を欠く映像利用と適法引用の成否及び利用許諾拒絶と独禁法の関係が争われた「沖縄 うりずんの雨」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、平成30年8月23日、琉球朝日放送株式会社が著作権を有する映画の著作物(ニュース映像)をドキュメンタリー映画の中で出所明示なく利用することが引用の例外にあたらず、また、許諾の交渉経緯に鑑み、同社が利用を許諾しなかったことは独占禁止法に反するものではないとして、映画制作会社の主張を排斥する判決をしました。

商標審決アップデート(Vol.10)キャッチフレーズの識別力に関する審決等

商標の審査・審判における判断の傾向は時代により変化しますので、その傾向を把握するためには審決や異議の決定を継続的にチェックする必要があります。商標審決アップデートでは、定期的に注目すべき商標審決をピックアップし、情報提供していきます。今回は、キャッチフレーズに関する審決を中心に、その他商標又は商品の類否に関する審決を取り上げております。

補正における新規事項の追加を理由とする拒絶審決を取り消した染毛剤事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、平成30年8月22日、拒絶査定不服審判において新規事項の追加を理由に補正を却下し、請求不成立とした拒絶審決を取り消す判決をしました。判決は、ソルダーレジスト事件知財高裁大合議判決に沿って、特許請求の範囲に、明細書に明示的記載がない限定を付加するに際し、第三者が製造販売する特定の製品の構成を技術常識として考慮し、明細書の記載から自明の事項を認定しています。

審決の判断に遺漏はなかったと判示したカプコン対コーエーテクモゲームス審決取消訴訟事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部は、平成30年(2018年)7月19日、カプコンが保有する「遊戯装置、およびその制御方法」の特許の有効性について争われた審決取消訴訟において、審決の判断に遺漏はなく、審決が認定したとおり、特許有効(無効審判請求不成立)と判断しました。

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