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イノベンティア・リーガル・アップデート

年別アーカイブ: 2020年

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

特許異議申立てにおいて新規事項を理由に訂正請求を認めなかった取消決定を取り消した機械式駐車装置事件決定取消訴訟知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、令和2年(2020年)12月3日、新規事項を含むことを理由に特許異議申立てにおける訂正の請求を否定し、異議申立てにかかる各請求項について、新規性ないし進歩性欠如を理由に特許を取り消した特許庁の決定について、新規事項にかかる判断に誤りがあったものとして、同決定を取り消す判決をしました。

再生品の製造等を制限する仕様が独禁法に抵触し特許権行使が権利濫用に当たるとしたトナーカートリッジ事件東京地裁判決について

東京地方裁判所は、本年(令和2年)7月22日、プリンタメーカーがトナーカートリッジ再生品の製造等を仕様上制限したうえで、当該仕様に係る部品を取り替えたカートリッジを製造販売した業者に対して特許権侵害を主張した事案において、メーカーの行為が独禁法上の取引妨害であり、特許権行使が権利濫用であると判断しました。

電子契約の法的効力と導入の留意点について ~総務省、法務省、経済産業省の電子契約サービスに関するQ&Aを踏まえて~

2020年、総務省、法務省、経済産業省の連名で、電子契約に関する法的解釈を示すQ&Aが相次いで公表され、電子署名法に基づいて電子契約が捺印による契約書と同等の法的効力を持ちうること、その基準や具体例が示されました。

商標審決アップデート(Vol.22)称呼同一商標の類否に関する審決等

商標の審査・審判における判断の傾向は時代により変化しますので、その傾向を把握するためには審決や異議の決定を継続的にチェックする必要があります。商標審決アップデートでは、定期的に注目すべき商標審決をピックアップし、情報提供していきます。今回は、称呼同一商標の類否判断において参考になる審決を取り上げております。  

ポータルサイトのサービス利用規約の一部条項を含む契約の申込み・承諾の意思表示の差止め等判断を維持した東京高等裁判所判決

東京高等裁判所第2部(白石史子裁判長)は、令和2年11月5日、ポータルサイト「モバゲー」のサービス利用規約の一部条項が消費者契約法所定の事由に該当すると認め、契約の申込み・承諾の意思表示の差止め等を命じた原審判断を維持しました。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の民法改正に対応した改訂について(2) ~利用規約と定型約款~

経済産業省は、2020年8月28日、平成29年民法改正に対応した改訂を行った「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を公表し、契約の成立時期や定型約款、利用規約の効力や変更等について、同改正を踏まえた考え方や具体例を示しました。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の民法改正に対応した改訂について(1) ~契約の成立時期等~

経済産業省は、2020年8月28日、平成29年民法改正に対応した改訂を行った「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を公表し、契約の成立時期や定型約款、利用規約の効力や変更等について、同改正を踏まえた考え方や具体例を示しました。

防護標章登録の要件としての「需要者の間に広く認識されている」の解釈を示した「Tuché」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第4部(大鷹一郎裁判長)は、令和2年(2020年)9月2日、防護標章登録の要件としての「需要者の間に広く認識されている」の意味について、原登録商標の指定商品の需要者との関係で、原登録商標がその商標権者の業務に係る指定商品を表示するものとして、全国的に認識されており、その認識の程度が著名の程度に至っていることをいうことを意味するとの見解を示しました。

知財高裁が特許登録前の発明の実施に係る職務発明対価請求権の消滅時効に関して判断した「FeliCa(フェリカ)事件」控訴審判決

本年(令和2年)6月30日、知的財産高等裁判所第3部は、非接触型ICカードのための通信技術であるFeliCaを開発したソニーの元従業員からの職務発明対価請求に係る様々な争点につき、判断を示しました。特許登録前の発明の実施に係る職務発明対価請求権の消滅時効に関する争点その他多くの点で原審と異なる判断をしています。

商標審決アップデート(Vol.21)結合商標に関する審決等

商標の審査・審判における判断の傾向は時代により変化しますので、その傾向を把握するためには審決や異議の決定を継続的にチェックする必要があります。商標審決アップデートでは、定期的に注目すべき商標審決をピックアップし、情報提供していきます。今回は、結合商標の類否判断において参考になる審決を取り上げております。 

共同出願契約における特許権の「剥奪」の解釈として当事者間における持分権の喪失をもたらすとした「結ばない靴ひも」事件知財高裁判決

知的財産高等裁判所第1部(髙部眞規子裁判長)は、令和3年8月20日、特許権の共有者が当事者となる共同出願契約において、特定の契約違反があると違反当事者の特許権が「剥奪される」との定めがあった場合に、当該違反行為があったときは、違反当事者は、本件各特許権に係る自己の持分権を喪失するものと解するのが相当であるとの判断を示しました。

令和2年改正個人情報保護法

「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」が令和2年6月5日の国会において可決、成立し、令和2年6月12日に公布されました。本改正は、GDPRなどの国際的な潮流に配慮してデータの主体である本人の権利利益の保護に焦点をあてるとともに、仮名加工情報の導入などにより、データの利活用の幅を広げることを意図した改正となっています。改正法は2022年6月までには施行されます。

研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書ver1.0の公表について

経済産業省と特許庁は、令和2年6月30日、「研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書ver1.0」を公表し、スタートアップと事業会社との間の共同研究開発のプロセスに沿って必要となる秘密保持契約書、技術検証(PoC)契約書、共同研究開発契約書、及びライセンス契約書の雛形並びにそれらの逐条解説を提示しました。

大学名称の類似性を否定した「京都芸術大学」事件大阪地裁判決について

大阪地方裁判所第26民事部は、令和2年8月27日、公立大学法人京都市立芸術大学が、京都芸術大学を運営する被告に対し、「京都芸術大学」の名称使用差止めを求めた事件について、原告の「京都市立芸術大学」は不正競争防止法上の周知表示に該当するものの、被告表示とは非類似であるとして、差止請求を棄却しました。

販売先の債務不存在確認を求める訴えについて確認の利益を否定した「樹脂フィルムの連続製造方法及び装置及び設備」事件最高裁判決について

最高裁判所第2小法廷は、令和2年9月7日、特許権者から通常実施権を受けて製品を製造販売している者が、特許権者に対し、その製品の販売先が特許権侵害に基づく損害賠償債務を負わないことの確認を求めた訴えについて、確認の利益がないとの判断を示しました。

自然法則の利用と発明該当性に関する「電子記録債権の決済方法、および債権管理サーバ」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、令和2年6月18日、拒絶査定不服審判における不成立審決に対する審決取消訴訟において、特許法29条1項柱書の「発明」の該当性に関し、たとえ「特許を受けようとする発明」に何らかの技術的手段が提示されているとしても、全体として考察した結果、その発明の本質が、単なる精神活動、純然たる学問上の法則、人為的な取決めなど自体に向けられている場合には、同規定にいう「発明」に該当するとはいえないとの判断を示しました。

他人の画像を無断でアップロードしたツイートのリツイートと氏名表示権侵害に関するリツイート事件最高裁判決について

最高裁判所第三小法廷(戸倉三郎裁判長)は、本年(令和2年)7月21日、ツイッターにおいて、他人の画像を無断でアップロードしたツイートをリツイートした際に、画像が自動的にトリミングされ、画像に含まれていた著作者の氏名が表示されなくなった場合に、氏名表示権を侵害するとの判断を示しました。

商標審決に見る称呼同一商標の類否判断 – 商標審決アップデート特別編Vol.1

今回の商標審決アップデートでは、過去の商標審決アップデートで紹介してきた称呼同一商標関連の審決例をもとに、いくつかの類型に分けて整理、分析し、最近の類否判断の傾向について説明します。

新型コロナウイルス予防商品と優良誤認表示(2)~消費者庁の動向(令和2年3月~6月)~

消費者庁は、今般、新型コロナウイルス予防効果等を標ぼうするウイルス予防商品の表示の監視活動を実施しており、令和2年3月から6月にかけて、優良誤認表示又はこれに該当するおそれのある表示に対して行政指導又は措置命令をし、併せて、SNSを通じて一般消費者への注意喚起を行っています。 そこで、本稿では、新型コロナウイルス予防効果等を標ぼうする優良誤認表示に対する消費者庁の動向を整理し、その内容を解説します。

新型コロナウイルス予防商品と優良誤認表示(1)~景表法による優良誤認表示規制の概要~

消費者庁は、今般、新型コロナウイルス予防効果等を標ぼうするウイルス予防商品の表示の監視活動を実施しており、令和2年3月から6月にかけて、優良誤認表示又はこれに該当するおそれのある表示に対して行政指導又は措置命令をし、併せて、SNSを通じて一般消費者への注意喚起を行っています。 そこで、本稿では、消費者庁の動向の整理及び解説の前提として、景品表示法による優良誤認表示規制の概要をご説明します。

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