知的財産高等裁判所第2部(森義之裁判長)は、本年(平成30年)9月18日、特許権侵害訴訟で無効主張がなされず、構成要件非充足を理由に敗訴が確定した特許権者が、後に訂正審決を得て再審請求をしたという事案において、この場合の訂正審決は特許法104条の3第3号の訂正審決に該当しないものの、特許権者が、再審請求で、訂正後の特許権に基づく侵害主張を蒸し返すために、当該訂正審決は特許法104条の3第3号の訂正審決に該当しないと主張することは、特許法104条の4の規定の趣旨にかなわず許されないとの判断を示しました。

特許法104条の4の解釈を示した珍しい事案であるため、紹介します。

ポイント

骨子

  • 特許法は,訂正前の特許発明の技術的範囲に属しない被疑侵害品は,訂正後の特許発明の技術的範囲に属しないことを保障しているのであるから,被疑侵害品が特許発明の技術的範囲に属しないことを理由とする請求棄却判決が確定した後に,特許権者が訂正認容審決を得て,再審の訴えにおいて被疑侵害品が訂正後の特許発明の技術的範囲に属する旨主張することは,特許法がおよそ予定していないものというべきである。
  • 再審原告は,基本事件において,前訴判決の基礎となる本件特許に係る発明(本件発明及び本件訂正発明)の技術的範囲につき,主張立証する機会と権能を有していたのであるから,前訴判決が確定した後に,本件訂正認容審決が確定したという,特許法がおよそ予定していない理由によって,前訴判決を覆すことができるとすることは,紛争の蒸し返しであり,特許権侵害訴訟の紛争解決機能や法的安定性の観点から適切ではなく,特許法104条の4の規定の趣旨にかなわないということができる。

判決概要

裁判所 知的財産高等裁判所第2部
判決言渡日 平成30年9月18日
事件番号 平成30年(ム)第10003号
事件名 特許権侵害行為差止等請求再審事件
基本事件 知的財産高等裁判所平成27年(ネ)第10040号
対象特許 特許第4044598号
「装飾品鎖状端部の留め具」
裁判官 裁判長裁判官 森   義 之
裁判官    森 岡 礼 子
裁判官    古 庄   研

解説

訂正審判とは

訂正審判とは、特許登録後に、特許の瑕疵を治癒するために、特許の明細書、特許請求の範囲、図面の内容を訂正する審判をいいます。訂正ができる場合として、特許法126条1項は以下のように定めています。

(訂正審判)
第百二十六条 特許権者は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすることについて訂正審判を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一 特許請求の範囲の減縮
二 誤記又は誤訳の訂正
三 明瞭でない記載の釈明
四 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。

なお、訂正をするための手続として、特許法は、上述の①訂正審判(特許法126条)のほか、②特許異議申立手続きの中で行われる訂正の請求(特許法120条の5第2項)、③特許無効審判の手続の中で行われる訂正の請求(特許法134条の2)を用意しており、合計3つの手続が規定されています。

訂正の要件

訂正が認められるためには、①上述の特許法126条1項各号の目的に合致することのほか、②新規事項の追加がないこと(同条5項)、③実質的に権利範囲を拡張または変更するものではないこと(同条6項)、④訂正後の発明が独立して特許を受けることができるものであること(独立特許要件・同条7項)が必要です。

上記①の目的の適合性について、無効理由を回避するためにしばしば用いられるのは、1号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正です。権利範囲の中に先行技術が含まれると特許が無効になりますが、これを回避するため、権利範囲を減縮し、先行技術が含まれないようにするわけです。

上記②の新規事項の追加の禁止は、訂正によって、特許時に開示されていない技術事項を特許の明細書や特許請求の範囲、図面に付加することを禁止するもので、権利範囲を減縮するために新たな要件を付加するような場合であっても、特許時に開示された技術事項によって限定することが求められます。

上記③の権利拡張・変更の禁止は、特許時と比較して権利範囲が広がったり、ずれが生じたりすることを禁止するもので、特許時に非抵触であった製品や方法が訂正によって抵触するようになる事態を回避し、第三者に不測の損害が生じないようにすることを目的としています。この要件があるため、訂正前に非侵害であった製品や方法が訂正後に侵害となることはない、という関係が保障されることとなります。

上記④の独立特許要件は、訂正後の状態で、特許が適法であることを担保するものです。

再審とは

再審とは、いったん判決が確定した後に、一定の要件のもと、その事件の再審理を行うことをいいます。一般には、報道などで刑事事件の再審が話題になることで知られていますが、民事訴訟法にも再審の規定があります。

再審は、判決確定後に再審理を認めるものであるため、特に重大な理由がある場合にのみ認められます。具体的には、民事訴訟法338条1項は、再審ができる場合として、以下の規定を置いています。

第三百三十八条 次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。
一 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
二 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
三 法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
四 判決に関与した裁判官が事件について職務に関する罪を犯したこと。
五 刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。
六 判決の証拠となった文書その他の物件が偽造又は変造されたものであったこと。
七 証人、鑑定人、通訳人又は宣誓した当事者若しくは法定代理人の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと。
八 判決の基礎となった民事若しくは刑事の判決その他の裁判又は行政処分が後の裁判又は行政処分により変更されたこと。
九 判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと。
十 不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。

行政処分としての審決と再審制限

行政処分としての審決と再審の補充性

特許権侵害訴訟の再審請求の根拠として問題となることが多いのは、民事訴訟法338条1項8号の「判決の基礎となった・・・行政処分が後の・・・行政処分により変更されたこと」という規定です。

「特許」は行政庁である特許庁が特許権者に特許権を与える行政処分であり、また、特許無効審判の無効審決や、訂正審判の訂正審決は、やはり特許庁が行う行政処分で、かつ、これらの審決の結果、特許が無効になったり、特許の内容を変化させたりするものです。そのため、特許権侵害訴訟の確定判決があった後で無効審決や訂正審決があった場合には、これらの審決が特許という先行行政処分を変更するものといえるため、上記の民事訴訟法338条1項8号の「判決の基礎となった・・・行政処分が後の・・・行政処分により変更された」場合に該当することとなり、再審の請求ができることになりそうです。

実際、知的財産高等裁判所は、「生海苔の異物分離除去装置」事件で、特許権侵害訴訟の請求認容判決確定後に無効審決が確定した事案において、再審請求を認め、認容確定判決を取り消した上で特許権者の請求を棄却する判決をしていました(知財高判平成20年7月14日判タ1307号295頁)。

しかし、特許権侵害訴訟では、特許無効の抗弁の主張が認められ(特許法104条の3)、また、その対抗手段として、訂正の再抗弁を主張することもできます。そのため、侵害訴訟確定後に無効審判や訂正審判を請求し、再審請求ができるとすると、訴訟で主張できたはずの争点の蒸し返しを許すことになりかねません。

上述の民事訴訟法338条1項も、但書において「当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない」と規定しているように、もとの訴訟手続で主張機会があった場合には再審を認めないという、再審の補充性の原則を定めています。

ナイフの加工装置事件最判

この問題に関連する事案として、侵害訴訟の原審と控訴審の審理が行われている間に5回にわたって訂正審判の請求が繰り返された「ナイフの加工装置」事件があります。第1審と控訴審のいずれの審級でも請求を棄却された特許権者は、上告をしたのですが、判例上、判決確定前に再審事由が存在する場合には上告理由にもなると解されているため、原告は、再審事由の存在を上告審で主張しました。

これに対し、最高裁判所は、以下のように述べ、何度も訂正審判請求が繰り返されたような事情のもとでは、再審事由があることを上告理由として判決内容を争うことは許されないとの考え方を示しました(最判平成20年4月24日民集62巻5号1262頁)。

仮に再審事由が存するとしても、以下に述べるとおり、本件において上告人が本件訂正審決が確定したことを理由に原審の判断を争うことは、上告人と被上告人らとの間の本件特許権の侵害に係る紛争の解決を不当に遅延させるものであり、特許法104条の3の規定の趣旨に照らして許されないものというべきである。

上述のとおり、「ナイフの加工装置」事件は、再審請求ではなく、上告理由として再審事由が主張された事件です。そのため、判決においては、再審の補充性よりも、特許法104条の3第2項の審理の不当遅延防止に焦点が置かれており、判旨も、審理遅延に言及して再審事由の存在を主張することを封じています。

特許法104条の4の新設と特許権侵害訴訟における再審制限

「ナイフの加工装置」事件最判の後、平成23年の特許法改正で以下のような規定が新設され、①無効審決、②延長登録無効審決、③訂正審決で政令で定めるもの、の3つについて、特許権侵害訴訟の再審請求において主張できない、つまり、これらの審決があったことを理由として再審請求はできないことが定められました。この規定は、もとの訴訟で主張機会のあった攻撃防御方法について再審事由としての主張を禁じるもので、再審の補充性の観点から定められたものといえます。

(主張の制限)
第百四条の四 特許権(略)の侵害(略)に係る訴訟の終局判決が確定した後に、次に掲げる決定又は審決が確定したときは、当該訴訟の当事者であつた者は、当該終局判決に対する再審の訴え(略)において、当該決定又は審決が確定したことを主張することができない。
一 当該特許を取り消すべき旨の決定又は無効にすべき旨の審決
二 当該特許権の存続期間の延長登録を無効にすべき旨の審決
三 当該特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の決定又は審決であつて政令で定めるもの

特許法104条の3第3号の「政令で定めるもの」

上記のとおり、特許法104条の3第3号は、同1号、2号とは異なり、「政令で定めるもの」との付加的な要件が定められています。この点については、特許法に関する政令である特許法施行令8条に以下の規定があります。

(主張の制限に係る決定又は審決)
第八条 特許法第百四条の四第三号の政令で定める決定又は審決は、次の各号に掲げる場合についてそれぞれ当該各号に定める決定又は審決とする。
一 特許法第百四条の四に規定する訴訟の確定した終局判決が当該特許権者、専用実施権者又は補償金の支払の請求をした者の勝訴の判決である場合 当該訴訟において立証された事実以外の事実を根拠として当該特許が同法第百十四条第二項の取消決定により取り消されないようにするためのものである決定又は特許無効審判により無効にされないようにするためのものである審決
二 特許法第百四条の四に規定する訴訟の確定した終局判決が当該特許権者、専用実施権者又は補償金の支払の請求をした者の敗訴の判決である場合 当該訴訟において立証された事実を根拠として当該特許が同法第百十四条第二項の取消決定により取り消されないようにするためのものである決定又は特許無効審判により無効にされないようにするためのものである審決

この規定は、特許権者が勝訴した場合と敗訴した場合に分け、勝訴した場合には、侵害訴訟で主張されていない事実に基づいて特許が無効にされないようにするための訂正審決が、敗訴した場合には、侵害訴訟で主張された事実によって無効化されることを避けるための訂正審決が、それぞれ特許法104条の3第3号の訂正審決に該当すると定めています。

少々分かりにくい規定ですが、順番に見てゆくと、まず、特許権者が勝訴した場合には、再審請求をするのは特許権侵害をしたと認定された被告です。この場合に、被告が主張した無効理由と関係のない無効理由に関して特許権者が訂正した場合に、被告が再審請求をすることができるとすると、もとの事件で主張をしようと思えばできたはずの無効理由について無効審判を請求し、減縮の訂正によって特許権が減縮されたことを理由に再審で非侵害の主張ができることとなり、事件の蒸し返しになります。

また、特許権者が敗訴した場合に再審請求をするのは特許権者ですが、もとの事件で有効性を主張したり、訂正の再抗弁を主張しながら特許無効の抗弁が認められ、敗訴した状況で、その後訂正審決を得て再審請求ができるとすると、これももとの事件で主張できたはずの争点の蒸し返しとなります。

そこで、特許法施行令は、これらの場合に再審請求はできないこととしたのです。

事案の概要

本事件の原告は、特許第4044598号「装飾品鎖状端部の留め具」の特許権者として、被告らに対し、差止及び損害賠償を求める特許権侵害訴訟を提起しましたが、東京地方裁判所は、被告らの製品が特許発明の構成要件を充足しないことを理由に請求を棄却しました。

そこで、原告は、知的財産高等裁判所に控訴をするとともに、特許庁で訂正審判を請求したところ、訂正審判においては認容する旨の審決がなされたものの、知的財産高等裁判所は、被告らの製品は訂正後の特許発明の構成要件を充足しないとして控訴を棄却しました。

これに対し、原告は、上告及び上告受理申立てもしましたが、上告は棄却され、また、上告受理申立てに対しては受理しない旨の決定がなされたため、原告の敗訴が確定しました。なお、被告らは、この訴訟の中で、特許無効の抗弁を主張していません。

その後、原告が、2度にわたって訂正審判を請求したところ、2度目の訂正審判において訂正が認容されました。そこで、原告は、被告らの製品は訂正後の特許発明の構成要件を充足すると主張し、また、確定済みの特許権侵害訴訟の基礎となった行政処分である特許査定はその後の行政処分である訂正審決によって変更されたため、民事訴訟法338条1項8号の適用があるとして、再審請求をしました。

判旨

判決は、再審請求を棄却しましたが、その理由として、まず、以下のように述べ、再審制限に関する特許法104条の4は、もとの訴訟において争うことのできた事由に基づく紛争の蒸し返しを防止することを目的とするものであることを示しました。

特許法104条の4は,特許権侵害訴訟の終局判決が確定した後に同条3号所定の特許請求の範囲の訂正をすべき旨の審決であって政令で定めるもの(以下,「3号訂正審決」という。)が確定したときは,上記訴訟の当事者であった者は終局判決に対する再審の訴えにおいて3号訂正審決が確定したことを主張することができないと規定している。その趣旨は,特許権侵害訴訟の当事者は,同法104条の3により,無効の抗弁及びいわゆる訂正の再抗弁(訂正により無効の抗弁に係る無効理由が解消されることを理由とする再抗弁)を主張することができ,判決の基礎となる特許の有効性及びその範囲につき,主張立証する機会と権能を有していることから,そうであるにもかかわらず,上記訴訟の判決が確定した後に,特許の有効性及びその範囲につき判決と異なる内容の審決が確定したことを理由として確定判決を覆すことができるとすることは,紛争の蒸し返しであり,特許権侵害訴訟の紛争解決機能や法的安定性の観点から適切ではないことにあると解される。

次に、判決は、本件の事案では、もとの訴訟で特許の有効性が争われておらず、同訴訟の判決確定後に認容された訂正は、特許権者が、同訴訟で争われた無効理由を回避するためになされたものではないため、特許法104条の3第3号の「政令で定めるもの」を充足せず、同号が適用される訂正審決ではないとの認定をします。

特許法施行令8条2号は,特許権侵害訴訟の終局判決が特許権者の敗訴判決である場合には,「当該訴訟において立証された事実を根拠として当該特許が・・・特許無効審判により無効にされないようにするためのものである審決」が3号訂正審決に当たると規定している。前記第2の2(3)のとおり,再審被告両名は,基本事件において無効の抗弁を主張していないから,本件訂正認容審決は,特許法施行令8条2号所定の「当該訴訟において立証された事実を根拠として当該特許が・・・特許無効審判により無効にされないようにするためのものである審決」ではなく,3号訂正審決には当たらない。

他方で、判決は、訂正の要件として、権利の拡張や変更が禁止されていることから、訂正前の特許発明の権利範囲に属さない製品等は、訂正後の権利範囲にも属することにはならないことを保障していることを指摘し、確定判決で特許発明の技術的範囲に属しないと認定された製品等が、訂正審決後の再審の訴えにおいて、技術的範囲に属すると主張することは、特許法がおよそ予定していない、と述べます。

特許法は,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面を訂正するために訂正審判を請求することを認める一方(同法126条1項本文),その訂正は,特許請求の範囲の減縮を含む所定の事項を目的とするものに限って許されるものとし(同項ただし書),さらに,「実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものであってはならない」としている(同条6項)。これは,訂正を認める旨の審決が確定したときは,訂正の効果は特許出願の時点まで遡って生じ(同法128条),しかも,訂正された明細書,特許請求の範囲又は図面に基づく特許権の効力は不特定多数の一般第三者に及ぶものであることに鑑み,特許請求の範囲の記載に対する一般第三者の信頼を保護することを目的とするものであり,特に,同法126条6項の規定は,訂正前の特許請求の範囲には含まれない発明が訂正後の特許請求の範囲に含まれることとなると,第三者にとって不測の不利益が生じるおそれがあるため,そうした事態が生じないことを担保する趣旨の規定であると解される。このように,特許法は,訂正前の特許発明の技術的範囲に属しない被疑侵害品は,訂正後の特許発明の技術的範囲に属しないことを保障しているのであるから,被疑侵害品が特許発明の技術的範囲に属しないことを理由とする請求棄却判決が確定した後に,特許権者が訂正認容審決を得て,再審の訴えにおいて被疑侵害品が訂正後の特許発明の技術的範囲に属する旨主張することは,特許法がおよそ予定していないものというべきである。

判決は、上記判示を前提に、原告の主張は、特許法がおよそ予定していないものであって、紛争の蒸し返しにあたる不適切なものであるため、特許法104条の4の「趣旨にかなわない」と述べます。これは、原告の主張は、正面から同規定に反するものではないものの、実質的に同規定によって制限されるべきものであると述べたものといえます。

再審原告は,基本事件において,前訴判決の基礎となる本件特許に係る発明(本件発明及び本件訂正発明)の技術的範囲につき,主張立証する機会と権能を有していたのであるから,前訴判決が確定した後に,本件訂正認容審決が確定したという,特許法がおよそ予定していない理由によって,前訴判決を覆すことができるとすることは,紛争の蒸し返しであり,特許権侵害訴訟の紛争解決機能や法的安定性の観点から適切ではなく,特許法104条の4の規定の趣旨にかなわないということができる。

以上の結論として、判決は、原告の主張は許されないものであって、原告の請求には理由がないとし、これを棄却しました。

コメント

本件における原告の行動は、特許法の陥穽を狙ったものと考えられますが、これを認めると、訂正を繰り返すことによって、同一の実施行為に対し、同一の権利を際限なく行使できることになるため、特許制度の趣旨に照らして認められるべきものとはいえず、判決は妥当な結論を示したものと思われます。

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(文責・飯島)