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イノベンティア・リーガル・アップデート

裁判例情報(プライバシー)

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

氏名等が特定されない場合のメールアドレスが「発信者情報」に該当するとした知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部は、令和3年3月11日、プロバイダ責任制限法4条1項に基づく発信者情報開示請求に関し、会員登録時の本人情報として氏名等が提供されずメールアドレス等が提供されるような場合のメールアドレスも、同項の「発信者情報」に該当するとの判断を示し、事業者に対し、発信者情報の開示を命じました。

シンガポール個人情報保護法上、センシティブ個人情報に高度の保護義務を認め、抽象的な保護指針等を同義務違反とした委員会判断について

2017年10月13日、シンガポール個人情報保護委員会(PDPC)は、同国の個人情報保護法(PDPA)上、日本のマイナンバーに相当するNRIC番号等の一定の類型の個人情報は、センシティブ(sensitive)情報にあたり、これを取り扱う企業等に「より高度の保護義務」が課されると判示するとともに、企業等が定める個人情報保護指針が、抽象的な法令遵守を定めるに留まり、必要な措置の具体性および詳細性を欠く等の場合には、同義務を尽くしていない旨判断しました。

プライバシー侵害に基づく慰謝料請求に関するベネッセ個人情報流出事件最高裁判決について

2017年(平成29年)10月23日、最高裁判所第二小法廷は、2014年の個人情報流出事件によるベネッセの顧客に対する損害賠償責任を否定した大阪高裁判決を覆し、精神的損害の有無等について審理を尽くさせるべく、事件を差し戻しました。

著作権法上の引用の例外と発信者情報開示に関する東京地裁判決について

平成29年7月20日、東京地方裁判所は、原告が著作権を有する動画を発信者が動画共有サイトにアップロードした行為は、著作権法32条1項の「適法な引用」に当たらず、被告プロバイダは原告に対し、発信者情報開示制度に基づき、保有する発信者情報の開示をしなければならないと判断しました。

犯罪歴等プライバシー情報の検索結果の提供が違法となる基準を示したGoogle検索結果削除請求事件の最高裁決定について

最高裁判所第三小法廷は、犯罪履歴その他のプライバシーに属する事実が掲載されたウェブサイトの検索結果について、そうした事実が公表されない法的利益と検索結果を提供する理由に関する諸事情を比較衡量し、事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には検索結果の提供が違法となるとの判断を示しました。

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