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イノベンティア・リーガル・アップデート

年別アーカイブ: 2018年

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

不正競争防止法の改正(「限定提供データ」の新設)について

平成30年5月23日、改正不正競争防止法が成立しました。改正不競法では、第四次産業革命の下、IoTやAIなどの情報革新が進む中で、データの重要性が高まっている状況を背景として、改正前不競法で認められていた営業秘密の保護に加えて、新たに「限定提供データ」の不正取得等に対する差止請求が認められています。

審決取消訴訟の訴えの利益と刊行物記載の化合物の一般式に多数の選択肢がある場合の進歩性判断に関するピリミジン誘導体事件知財高裁大合議判決

知的財産高等裁判所特別部(大合議)は、ピリミジン誘導体の特許の有効性について問題となった審決取消訴訟について、平成30年(2018年)4月13日、①審決取消訴訟の訴えの利益、②刊行物に記載された化合物の一般式が膨大な数の選択肢を有する場合の引用発明の認定、③進歩性判断に関する主張・立証責任について判断しました。

商標審決アップデート(Vol.5)称呼同一商標の類否に関する審決等

商標の審査・審判における判断の傾向は時代により変化しますので、その傾向を把握するためには審決や異議の決定を継続的にチェックする必要があります。商標審決アップデートでは、定期的に注目すべき商標審決をピックアップし、情報提供していきます。

IPR(当事者系レビュー)の合憲性を承認したOil States 事件米連邦最高裁判決について

米連邦最高裁判所は、本年(2018年)4月24日、Oil States 事件において、特許の有効性を米国特許商標庁(USPTO)で争うIPR(当事者系レビュー)は、合衆国憲法に反するものではなく、合憲であるとの判断を示しました。司法権に関する合衆国憲法第3条と、陪審裁判を受ける権利に関する修正第7条との適合性が争われましたが、裁判所はいずれについても合憲としました。

阻害要因の存在等を理由に進歩性を認めたカプコン対コーエーテクモゲームス審決取消訴訟事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部は、平成30年(2018年)3月29日、カプコンの特許の有効性について争われた審決取消訴訟において、特許有効(無効審判請求不成立)と判断しました。カプコンがコーエーテクモゲームスを特許権侵害で訴えた別件の特許権侵害訴訟においては、大阪地裁平成29年12月14日判決が、同じ特許について進歩性を欠き無効であると判断していましたが、今回の審決取消訴訟では上記大阪地裁判決とは異なる判断となりました。

「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(案)」の公表

経済産業省は、平成30年(2018年)4月27日、「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」案(以下「ガイドライン案」といいます。)を公表し、パブリックコメント手続に付しました。ガイドライン案(データ編)は、経済産業省が平成29年5月に公表した「データの利用権限に関する契約ガイドラインver1.0」をアップデートするものであり、ガイドライン案(AI編)は、昨今、AIの活用が急速に進展している実情を踏まえて、今回新たに策定されるものです。

商標審決アップデート(Vol.4)キャッチフレーズの識別力に関する審決等

商標の審査・審判における判断の傾向は時代により変化しますので、その傾向を把握するためには審決や異議の決定を継続的にチェックする必要があります。商標審決アップデートでは、定期的に注目すべき商標審決をピックアップし、情報提供していきます。 

ユニットシェルフの形態が不正競争行為に当たるかが争われた事件(無印良品ユニットシェルフ事件)の控訴審判決について

知財高裁は、平成30年3月29日、ユニットシェルフの形態が周知性のある商品等表示に該当するとして、これと類似する形態の商品を販売する行為が不正競争に該当するとした東京地方裁判所の判決を支持する判決を出しました。

ロシア知的財産法 (4) – 特許法に関する制度紹介 (Патентное право)

本稿では、ロシアにおいて特許権の対象となる発明(изобретение)、実用新案(полезная модель)および工業意匠(промышленный образец)を取り上げ、それぞれの法的効力を発生させるための要件や他の注意点について解説します。また、特許権の内容としてどのような権利があり、どのような法的保護を受けられるかに焦点を当てたいと思います。

商標審決アップデート(Vol.3)防護標章の周知著名性に関する審決等

商標の審査・審判における判断の傾向は時代により変化しますので、その傾向を把握するためには審決や異議の決定を継続的にチェックする必要があります。商標審決アップデートでは、定期的に注目すべき商標審決をピックアップし、情報提供していきます。 

商品形態のマイナーチェンジと不正競争防止法19条1項5号イの「最初に販売された日」との関係を述べた「サックス用ストラップ」事件東京地裁判決

平成30年3月19日、東京地方裁判所民事第29部は、サックス用ストラップの商品形態模倣行為が問題となった事案について判決し、商品形態のマイナーチェンジと不正競争防止法19条1項5号イの「最初に販売された日」(保護期間の起算日)との関係を述べました。商品形態にマイナーチェンジがあった場合について、マイナーチェンジ後の商品の販売開始日を保護期間の起算日と認定した点で実務上参考になります。

TPP11と国内整備法の改正(知財分野)

TPP11協定に基づく国内整備法案「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律案」が現在会期中の国会において審議中です。法案によると、知的財産に関連する項目に関しては、基本的にTPP11協定発効の日に、TPP12に基づく従前の国内整備法に規定された各法改正内容と変わらない内容が施行されることとなる予定です。

創作の事実ないし著作権・著作者人格権を有することの確認請求訴訟の適法性に関する「かっぱえびせん」事件東京地裁判決について

東京地方裁判所民事第29部(嶋末和秀裁判長)は、平成30年3月26日、「やめられない、とまらない、かっぱえびせん」というフレーズを創作したとの事実の確認を求める訴訟において、確認の利益を欠くものとして、訴えを却下しました。判決は、当該訴えの適法性を判断するにあたり、著作権・著作者人格権の確認を求める場合についての確認の利益の考え方も示しています。

商標審決アップデート(Vol.2)社会通念上同一の商標に関する審決等

商標の審査・審判における判断の傾向は時代により変化しますので、その傾向を把握するためには審決や異議の決定を継続的にチェックする必要があります。商標審決アップデートでは、定期的に注目すべき商標審決をピックアップし、情報提供していきます。 

民法改正と知的財産関連契約 (3) – 危険負担

本稿では、2020年4月1日から施行される改正民法のうち、危険負担に関する事項について解説します。現行法での特定物に関する契約における所有者危険負担の考え方を改め、債務者の責めに帰すべき事由によらないで目的物が滅失又は損傷した場合の不都合が解消されることとなりました。

冒認特許権の行使と不当訴訟に関する「螺旋状コイルインサートの製造方法」事件東京地裁判決について

東京地方裁判所民事第40部(佐藤達文裁判長)は、冒認出願によって得た特許権を行使した特許権者に対し、冒認特許であることを「知りながら、又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起した」ことは裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものとして、不法行為に基づく損害賠償を命じました。

ロシア知的財産法 (3) – ロシア著作隣接権(смежные права)

日本と同様、ロシアでも著作権に隣接する権利(著作隣接権)が認識されています。著作隣接権は、特許権などと比較すると、一般の人でもよく直面する、知的財産権の中で重要な権利といえます。たとえば、音楽プレーヤー、ラジオ、テレビ番組や演出時に流れる音楽等は、これらのすべてが著作隣接権のもとで保護を受けます。

商標審決アップデート(Vol.1)国、地方公共団体等の著名な標章に関する審決等

商標の審査・審判における判断の傾向は時代により変化しますので、その傾向を把握するためには審決や異議の決定を継続的にチェックする必要があります。そこで、今回から定期的に注目すべき商標審決をピックアップし、情報提供していきたいと思います。

商標登録取消審決に対する審決取消訴訟の当事者適格に関する「緑健青汁」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第4部(髙部眞規子裁判長)は、本年(2018年)1月15日、商標登録取消審決を維持する判決に際し、本案前の抗弁に対する判断として、共有にかかる商標権の不使用取消審決に対する審決取消訴訟の提起は、いわゆる保存行為に該当し、固有必要的共同訴訟ではないため、単独で当事者適格が認められると判示しました。

商標の不使用取消をすべき場合に当たらないと判断した「COVERDERM」事件知財高裁判決について

平成29年11月29日、知的財産高等裁判所は、「COVERDERM」という化粧品類の商標について、商標登録を取り消すべき旨の特許庁による審決を取り消しました。本判決では、商標法50条1項(商標登録の不使用取消)の該当性が判断され、その中で、ウェブサイトにおける商標の表示が同法2条3項にいう使用に該当するか否かの判断がなされています。

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