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イノベンティア・リーガル・アップデート

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イノベンティア・リーガル・アップデート アーカイブ

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

平成16年改正特許法下の職務発明の相当の対価請求権の消滅時効の中断事由に関する「徐放性経口固形製剤」大阪地裁判決について

大阪地方裁判所第21民事部(武宮英子裁判長)は、令和5年8月29日、平成16年改正特許法のもとでの職務発明の相当の対価請求訴訟において、消滅時効の中断の成否に関し、会社が発明者に支払っていた技術指導料や贈呈金が相当の対価には該当せず、債務承認があったとは認められないとの判断をしました。

へアドライヤーの広告表現が品質等誤認惹起行為とは認められないと判断した東京地裁判決について

東京地方裁判所民事第47部(杉浦正樹裁判長)は、令和5年4月27日、ヘアドライヤーの「髪へのうるおい1.9倍」「水分発生量従来の18倍」等の広告表現について、原告が証拠として提出した実験結果には疑義がある等として、各広告表現は品質等誤認惹起行為とは認められないと判断しました。

令和5年商標法改正~他人の氏名を含む商標の登録要件緩和とコンセント制度の導入~

令和5年(2023年)6月7日、商標法の改正を含む「不正競争防止法等の一部を改正する法律」が可決・成立し、同月14日に公布されました。本改正により、他人の氏名を含む商標登録の要件が緩和されると同時に、先行商標権者の承諾を得て後行商標を登録できる、いわゆる「コンセント制度」が日本にも導入されることになりました。

ステルスマーケティングの景品表示法「不当表示」への追加

令和5年(2023年)10月1日、ステルスマーケティングを景品表示法の「不当表示」として指定する消費者庁の告示が施行され、景品表示法違反と判断されることになりました。各企業は、当該規制の違反にならないようにマーケティング活動を行うことが求められます。

「マグネットスクリーン装置」の発明につき拡大先願要件違反を認めた知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(本多知成裁判長)は、令和5年2月9日、発明の名称を「マグネットスクリーン装置」とする特許に係る特許権侵害訴訟において、拡大先願要件違反により特許は無効とされるべきものとの判決をしました。

政府機関を出願人とする当該政府機関の印章・記号の商標登録の可能性に関する「MALASIA HALAL」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第4部(菅野雅之裁判長)は、令和5年3月7日、商標の拒絶査定不服審判の不成立審決に対する取消訴訟において、政府機関の監督・証明用の印章・記号として経済産業大臣が指定したものと同一の構成の商標についての同一の商品にかかる登録出願について、当該政府機関が出願人となる場合であっても、商標法4条1項5号に該当するとの判断を示し、原告(出願人)の訴えを棄却しました。

動画配信システムにおけるサーバが日本国外に設置されていた場合において特許権侵害の成立を認めた知財高裁大合議事件判決について

知的財産高等裁判所は、令和5年(2023年)5月26日、「コメント配信システム」とする特許権の侵害の成否が問題となった事案において、原判決を変更し、被疑侵害者の動画配信システムにおけるサーバが日本国外に設置されていた場合において特許権侵害の成立を認める判決をしました。

会社による著作権侵害につき代表取締役に重過失があったとして個人責任を認めた東京地裁判決について

東京地方裁判所民事第40部(中島基至裁判長)は、令和5年5月18日、各種製品の販売促進資料の制作などを行うデザイン事務所が、第三者の著作物である写真を用いて制作した販売促進資料を自社の実績としてウェブページで紹介するにあたり、著作権者の許諾なく、その写真もウェブページに掲載したことについて、デザイン事務所の運営主体である会社のほか、その代表取締役にも損害賠償を命じる判決をしました。

令和5年不正競争防止法改正②~営業秘密・限定提供データの保護強化等~

令和5年(2023年)6月7日、不正競争防止法の改正を含む「不正競争防止法等の一部を改正する法律」が可決・成立し、同月14日に公布されました。本改正には、営業秘密・限定提供データの保護強化、外国公務員贈賄の罰則強化・拡充、国外における営業秘密侵害の日本の管轄・日本法適用の明確化等が含まれます。

職務発明の黙示の合意による取得を否定した射出成型装置事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(本多知成裁判長)は、令和5年6月22日、職務発明について、会社の求めがあった場合に従業者との協議によって対価を支払うことにより特許を受ける権利を承継する旨の就業規則がある状況において、職務発明を会社が原始取得する旨の黙示の合意があったとは認められず、また、発明完成後に、特許を受ける権利の帰属を原始的に変更することはできないとの判決をしました。

令和5年不正競争防止法改正①~デジタル空間の商品形態保護~

令和5年(2023年)6月7日、不正競争防止法の改正を含む「不正競争防止法等の一部を改正する法律」が可決・成立し、同月14日に公布されました。本改正により、メタバース等のデジタル空間における商品形態の模倣も、不正競争防止法2条1項3号の不正競争行為に該当し、保護されることになりました。

美術館の工事による設計者の同一性保持権の侵害が争われた、工事禁止の仮処分申立事件について

令和4年11月25日、東京地方裁判所は、版画美術館(建物)と庭園(敷地)の老朽化に伴う工事について、設計を行った者が工事実施計画者に対し、著作権法112条1項に基づき工事の差止めの仮処分を申し立てた事案において、申立てをいずれも却下しました。版画美術館は「建築の著作物」として保護されるものの、工事は、同一性保持権の適用除外規定である同法20条2項2号の「建築物の・・・改変」に該当すると判断されています。

商標法4条1項11号、15号該当性を否定し、審決取消請求を棄却した知的高等裁判所判決について(Julius Tart事件)

知的財産高等裁判所第4部(菅野雅之裁判長)は、令和5年4月25日、商標登録無効審判を不成立とした審決の取消請求において、被告商標(Julius Tart)について、原告主張の商標法4条1項11号、同15号該当性を否定し、原告請求を棄却しました。

文化庁による「AIと著作権の関係等について」

文化庁と内閣府は、令和5年5月、「AIと著作権の関係等について」と題する資料を公表し、生成AIに関する著作権の問題について基本的な考え方、現状の整理、今後の対応を示しました。

「生成 AI サービスの利用に関する注意喚起等について」

2023年6月2日に、個人情報保護委員会から「生成 AI サービスの利用に関する注意喚起等について」が公表されました。

生命科学・医学系研究に関する倫理指針におけるインフォームド・コンセントと個人情報保護法②後編

改正され、令和5年3月27日に告示された「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」におけるインフォームド・コンセントの手続等のうち、(2)「自らの研究機関において保有している既存試料・情報を研究に用いる場合」(3) 他の研究機関に既存試料・情報を提供しようとする場合に要求される手続について解説します。

許諾なく社内イントラネット上で大量に共有された新聞記事のうち内容の特定を欠くものの著作物性判断に関する東京新聞事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(大鷹一郎裁判長)は、令和5年6月8日、新聞記事をスキャンした多数の画像データを社内イントラネットで共有していたことから著作権侵害が認められた事案の控訴審判決において、報道を目的とする新聞記事が著作物と認められるためには作成者の何らかの個性が発揮されていれば足りるとする一方、その内容には様々なものがあり得ることから、新聞記事であることをもって直ちに著作物ということはできず、また、著作物であるとしても、新聞社の著作物とは限らないことから、内容を確認できない記事について著作物性を認めることはできないとの判決をしました。

2023年4月に経済産業省が公表した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のための実務参照資料」について

2023年4月、経産省は「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のための実務参照資料」を公表しました。本資料は、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」で企業に求める取組内容のうち「人権方針の策定」と「人権への負の影響の特定・評価」について、具体的かつ実務的な形で詳細な解説や事例を紹介するものです。企業の実務担当者がまず何から始めればよいかを掴みやすい資料であるため紹介します。

特許権侵害訴訟の提起が紛争の蒸し返しに過ぎないとして信義則違反を理由に訴えを却下した「AQUOS Home」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(本多知成裁判長)は、令和5年5月18日、すでに非侵害の確定判決がある製品と実質的に同一の製品について、同一の特許権に基づく損害賠償請求訴訟を提起した事案において、紛争の蒸し返すものであって訴訟上の信義則に反するとし、訴えを却下する判決をしました。

原告商標は引用商標に類似しないと、商標法4条1項11号該当性を否定し、審決を取り消した知的高等裁判所判決について(朔北カレー事件)

知的財産高等裁判所第2部(本多知成裁判長)は、令和5年3月9日、商標登録出願の拒絶査定についての不服審判を不成立とした審決の取消請求において、分離観察の上で、原告商標(朔北カレー)が引用商標に類似するものではなく、商標法4条1項11号には該当しないと判断し、審決を取り消しました。

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