神田 雄 の投稿記事一覧
「知的財産取引に関するガイドライン」の改正 ~知財訴訟等のリスクの転嫁について~
2024年10月11日 立法・政策動向(知財・IT) 神田 雄 (32)
中小企業庁は、令和6年10月、「知的財産取引に関するガイドライン」を改正しました。今回の改正は、同ガイドラインにおける「第三者との間に生じる知財訴訟等のリスクの転嫁」の項目を加筆するものであり、契約における知的財産権の非侵害保証・補償にも関連します。
「AI時代の知的財産権検討会 中間とりまとめ」の公表について
2024年9月5日 立法・政策動向(知財・IT) 神田 雄 (32)
令和6(2024)年5月、政府の「AI時代の知的財産権検討会」は「中間とりまとめ」を公表しました。現時点の実務において、生成AIと知的財産の関係についてガイドラインとしての役割を果たす資料となります。本稿では、「中間とりまとめ」において整理がされた法的な論点のうち、知的財産権を中心にご紹介します。
「AIと著作権に関する考え方について」の公表について② ~生成・利用段階、生成物の著作物性~
2024年7月5日 立法・政策動向(知財・IT) 神田 雄 (32)
令和6(2024)年3月、文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会が作成した「AI と著作権に関する考え方について」が公表されました。これは、現時点の実務において、生成AIと著作権の関係についてガイドラインとしての役割を果たす資料となります。本稿では、このうち、生成AIの生成・利用段階と生成物の著作物性の整理についてご紹介します。
「AIと著作権に関する考え方について」の公表について① ~開発・学習段階~
2024年6月28日 立法・政策動向(知財・IT) 神田 雄 (32)
令和6(2024)年3月、文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会が作成した「AI と著作権に関する考え方について」が公表されました。本考え方は、現時点の実務において、生成AIと著作権の関係についてガイドラインとしての役割を果たす資料となります。本稿では、このうち、生成AIの開発・学習段階の整理についてご紹介します。
平成16年改正特許法における職務発明の相当の対価請求権の消滅時効の起算点及び中断に関する「吹矢の矢」知財高裁判決について
2024年5月18日 裁判例情報(特許・意匠) 神田 雄 (32)
知的財産高等裁判所第3部(東海林保裁判長)は、令和6年2月1日、平成16年改正特許法の適用を受ける職務発明の相当の対価請求訴訟において、職務発明規程が存在しない会社が就業規則における表彰の規定に基づいて発明者にクオカードを授与した事案において、その授与の時期が消滅時効の起算点となるものではなく、またその授与をもって消滅時効の中断があったとは認められないとの判断をしました。
販売実績に係る表示が商品の品質誤認惹起表示に該当し不正競争と判断した生ごみ処理機事件東京地裁判決について
2024年3月30日 裁判例情報(商標・不正競争) 神田 雄 (32)
東京地方裁判所民事第29部(國分隆文裁判長)は、令和5年11月10日、生ごみ処理機の販売実績について事実と異なる表示をした被告の行為が、品質を誤認させる表示をしたものとして不正競争防止法2条1項20号の品質等誤認惹起行為に該当するとの判決を言い渡しました。
結合商標の類否判断において分離観察が許される第3の類型を示した「VENTURE」事件知財高裁判決について
2024年1月10日 裁判例情報(商標・不正競争) 神田 雄 (32)
知的財産高等裁判所第4部(宮坂昌利裁判長)は、令和5年11月30日、結合商標の類否が争点となった審決取消訴訟において、結合商標の分離観察が許される場合として、つつみのおひなっこや事件最高裁判決が示した2つの類型に新たな第3の類型を加える規範を示し、それに基づく判断をしました。
令和5年著作権法改正 ~新たな裁定制度の創設、損害賠償額の算定方法の改正等~
2023年12月25日 立法・政策動向(知財・IT) 神田 雄 (32)
令和5年(2023年)5月17日、著作権法を改正する「著作権法の一部を改正する法律」が可決・成立し、同月26日に公布されました。本改正の主な内容は、①著作物の利用に関する新たな裁定制度の創設、②立法・行政における著作物の公衆送信等を可能とする措置、③損害賠償額の算定方法の見直しの3点です。
売買契約における特許権等の非侵害保証・補償条項につき売主の義務違反を否定した知財高裁判決について
2023年11月28日 裁判例情報(特許・意匠) 神田 雄 (32)
知的財産高等裁判所第1部(本多知成裁判長)は、令和5年11月8日、商品売買契約の買主が購入商品につき第三者から特許権に抵触するとの警告を受けた事案において、売買契約上の特許権等の非侵害保証・補償条項の違反を理由として買主が売主に対して損害賠償を請求した訴訟にて、当該規定に基づく具体的な義務の内容を認定し売主に義務違反はないと判断しました。
「マグネットスクリーン装置」の発明につき拡大先願要件違反を認めた知財高裁判決について
2023年10月13日 裁判例情報(特許・意匠) 神田 雄 (32)
知的財産高等裁判所第2部(本多知成裁判長)は、令和5年2月9日、発明の名称を「マグネットスクリーン装置」とする特許に係る特許権侵害訴訟において、拡大先願要件違反により特許は無効とされるべきものとの判決をしました。
文化庁による「AIと著作権の関係等について」
2023年7月5日 立法・政策動向(知財・IT) 神田 雄 (32)
文化庁と内閣府は、令和5年5月、「AIと著作権の関係等について」と題する資料を公表し、生成AIに関する著作権の問題について基本的な考え方、現状の整理、今後の対応を示しました。
オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(大学編)について(2) ~大学・事業会社間のコンソーシアム契約書~
2023年5月13日 立法・政策動向(知財・IT) 神田 雄 (32)
経済産業省と特許庁は、令和4年3月、「オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(大学編)」を公表し、大学と事業会社や大学発ベンチャーとの間の共同研究開発契約書、コンソーシアム契約書、ライセンス契約書の雛形及びそれらの逐条解説を提示しました。本稿では大学と事業会社との間のコンソーシアム契約書を紹介します。
オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(大学編)について(1) ~大学・事業会社間の共同研究開発契約書~
2023年4月27日 立法・政策動向(知財・IT) 神田 雄 (32)
経済産業省と特許庁は、令和4年3月、「オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(大学編)」を公表し、大学と事業会社や大学発ベンチャーとの間の共同研究開発契約書、コンソーシアム契約書、ライセンス契約書の雛形及びそれらの逐条解説を提示しました。本稿では大学と事業会社との間のモデル共同研究開発契約書を紹介します。
他のツイートのスクリーンショットを添付したツイートにつき引用の成立可能性を認め著作権侵害の明白性を否定した知財高裁判決について
2023年4月24日 裁判例情報(著作権) 神田 雄 (32)
知的財産高等裁判所は、令和5年4月13日、ツイッター上の他のツイートのスクリーンショット画像を添付して投稿したツイートについて、著作権法上の引用の要件である公正な慣行に合致し得るものであり、スクリーンショットの形で添付された投稿の著作権を侵害することが明白とは認められない旨の判決を言い渡しました。
添付した画像がトリミングされて表示されたツイートにつき引用の成立を認め同一性保持権侵害を否定した知財高裁判決について
2023年3月1日 裁判例情報(著作権) 神田 雄 (32)
知的財産高等裁判所は、令和4年10月19日、他者が著作権を有する画像を添付した投稿したツイートについて、著作権法上の引用が成立して適法である旨の判断をするとともに、添付された画像がトリミング等された状態で表示された点につき、やむを得ないと認められる改変であるとして同一性保持権の侵害を否定しました。
特許権侵害に係る損害賠償額につき特許法102条2項3項の重畳適用を認めた知財高裁大合議判決(マッサージ機事件)について
2022年12月27日 裁判例情報(特許・意匠) 神田 雄 (32)
知的財産高等裁判所特別部(大鷹一郎裁判長)は、令和4年10月20日、特許権侵害に基づく損害額の算定に関し、特許法102条2項による損害額の推定が覆滅される部分に対して、特許権者が実施許諾をすることができたと認められる部分については同条3項に基づく実施料相当額の損害賠償を請求することができる旨の大合議判決をしました。
他のツイートのスクリーンショット画像を添付したツイートにつき引用の成立を認め著作権侵害を否定した知財高裁判決について
2022年11月29日 裁判例情報(著作権) 神田 雄 (32)
知的財産高等裁判所は、令和4年11月2日、ツイッター上の他のツイートのスクリーンショットを添付して行ったツイートについて、著作権法上の引用が成立する旨の判断をし、スクリーンショットの形で添付されたツイートのプロフィール画像の著作権を侵害することが明白とはいえないとの判決を言い渡しました。
住宅地図を著作物と認めて著作権侵害を肯定した東京地裁判決について
2022年8月31日 裁判例情報(著作権) 神田 雄 (32)
東京地方裁判所民事第29部(國分隆文裁判長)は、令和4年5月27日、原告が作成販売する住宅地図を広告物のポスティング等を行う会社である被告が複製等して利用した事案において、住宅地図を著作物と認め、著作権侵害が成立するとの判決を言い渡しました。
販売業者による商標の剥離抹消や商品名の変更につき商標権侵害等の成立を否定した「ローラーステッカー」事件大阪高裁判決について
2022年8月10日 裁判例情報(商標・不正競争) 神田 雄 (32)
大阪高等裁判所は、令和4年5月13日、メーカーが製品に付した商品名と別の商品名を卸売業者が付して当該製品を販売した事案において、当該メーカーが付した商品名が商標登録前である場合の不法行為の成立と、商標登録後である場合の商標権侵害の成立を共に否定する判決を言い渡し、製造業者が自ら付した商品名を流通過程で変更されることを防ぐためには、予め商品名の変更を禁止する旨の合意等が必要である旨の原判決の判断を維持しました。
他のツイートのスクリーンショット画像を添付したツイートにつき著作権侵害を認め引用の成立を否定した東京地裁判決について
2022年3月4日 裁判例情報(著作権) 神田 雄 (32)
東京地方裁判所は、令和3年12月10日、ツイッター上の他のツイートのスクリーンショットを添付して行ったツイッター上のツイートについて、スクリーンショットの形で添付された投稿の著作権を侵害するものであり、公正な慣行に合致せず正当な目的の範囲内でもないため、著作権法上の引用にも該当しない旨の判決を言い渡しました。