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イノベンティア・リーガル・アップデート

裁判例情報(商標・不正競争)

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

商品形態のマイナーチェンジと不正競争防止法19条1項5号イの「最初に販売された日」との関係を述べた「サックス用ストラップ」事件東京地裁判決

平成30年3月19日、東京地方裁判所民事第29部は、サックス用ストラップの商品形態模倣行為が問題となった事案について判決し、商品形態のマイナーチェンジと不正競争防止法19条1項5号イの「最初に販売された日」(保護期間の起算日)との関係を述べました。商品形態にマイナーチェンジがあった場合について、マイナーチェンジ後の商品の販売開始日を保護期間の起算日と認定した点で実務上参考になります。

商標登録取消審決に対する審決取消訴訟の当事者適格に関する「緑健青汁」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第4部(髙部眞規子裁判長)は、本年(2018年)1月15日、商標登録取消審決を維持する判決に際し、本案前の抗弁に対する判断として、共有にかかる商標権の不使用取消審決に対する審決取消訴訟の提起は、いわゆる保存行為に該当し、固有必要的共同訴訟ではないため、単独で当事者適格が認められると判示しました。

商標の不使用取消をすべき場合に当たらないと判断した「COVERDERM」事件知財高裁判決について

平成29年11月29日、知的財産高等裁判所は、「COVERDERM」という化粧品類の商標について、商標登録を取り消すべき旨の特許庁による審決を取り消しました。本判決では、商標法50条1項(商標登録の不使用取消)の該当性が判断され、その中で、ウェブサイトにおける商標の表示が同法2条3項にいう使用に該当するか否かの判断がなされています。

商標法2条3項の「使用」に関する判断を示した「ベガス」不使用取消審決取消訴訟事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(清水節裁判長)は、昨年12月25日、不使用取消審判における商標法2条3項の「使用」該当性が問題となった事案について、株式会社ベガスベガスが有する登録第5334030号商標「ベガス」について不使用取消審判が請求された事案において、役務に係る出所を示す文字はチラシに多用されている「ベガスベガス」「VEGAS VEGAS」であって、一箇所だけで用いられている「ベガス」の文字部分は、店舗名称の略称を表示したものにすぎず、役務の出所自体を示すものではなく、当該文字の使用行為は、本件商標について商標法2条3項にいう「使用」をするものであると認めることはできないと判断しました。

退職後の秘密保持義務の範囲を不正競争防止法の「営業秘密」類似の範囲に限定した東京地裁判決について

平成29年10月25日、東京地方裁判所民事第40部は、退職者の秘密保持義務について、「業務上知り得た機密事項」、「機密事項として指定する情報の一切」等定める秘密保持条項を、不正競争防止法の「営業秘密」類似の要件を満たす情報を対象とする限りにおいて有効とする旨の判決を下しました。秘密保持条項のドラフティングに際して念頭においておくべき重要な判決です

公序良俗違反を理由とする商標登録拒絶査定・審決を取り消した「アドバンス助産師」事件知財高裁判決について

本年(平成29年)9月14日、知的財産高等裁判所は、「Advanced Midwife アドバンス助産師」との商標は、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」(商標法4条1項7号)に当たらないとして,特許庁による商標登録の拒絶査定及び審決を取り消しました。

ユニットシェルフの形態が不正競争防止法上の商品等表示に当たるとした東京地裁判決(無印良品ユニットシェルフ事件)について

東京地方裁判所は、2017年8月31日、原告の製品とデザインの類似するユニットシェルフを販売していた被告に対して、同ユニットシェルフの譲渡等の差し止め及び廃棄を命じる判決を出しました。本判決は、商品の形態が不正競争防止法2条1項1号の「商品等表示」に該当するための判断基準として、コメダ珈琲事件等で示された従来の基準を踏襲する一方、一般的に機能的な形態と考えられるユニットシェルフが「商品等表示」に該当することを認めた点で、実務上意義があると思われます。

商標権侵害の過失の推定を覆した「観光甲子園」事件大阪地裁判決について

大阪地方裁判所第26民事部(高松宏之裁判長)は、本年(平成29年)4月10日、他人の商標権を侵害した場合に認められる過失の推定を覆す判断を示しました。

輸入業者に対する特許権侵害警告後に特許無効が確定した場合における不正競争防止法違反(虚偽事実の告知)の成否(エンパワー事件)

東京地方裁判所(民事40部)は、輸入業者に対する侵害警告後に特許が無効にされた事案において、侵害行為について不正競争防止法違反(虚偽事実の告知)が成立するか否かの判断基準を示しました。

フランク三浦とパロディ商標訴訟の系譜

フランク三浦事件が最高裁判所で決着したのを受け、類否判断においてどこまで具体的な取引の実情が考慮されるか、という観点から、パロディ商標の裁判例の流れを整理してみました。

店舗外観が不正競争防止法上の「商品等表示」に該当することを認めた事案(コメダ珈琲事件)について

コーヒーチェーン店と類似の店舗外観を施した喫茶店に対し、コーヒーチェーン店側が店舗の外観等の使用禁止の仮処分を求めていた事案で、東京地方裁判所は、平成28年12月19日、当該店舗用建物の使用ならびにウェブサイト等での店舗外観の写真及び絵の使用を禁止する仮処分決定を出しました。

無効審判請求の除斥期間を途過した場合であっても権利濫用の抗弁の主張を認めた最高裁判決(エマックス事件)について

最高裁判所は、商標法第4条第1項第10号違反を理由とする登録商標の無効審判請求の除斥期間を経過した場合であっても、自己の商品等表示として周知の商標との関係では、同号該当を理由として、商標権違反の請求に対して権利濫用の抗弁を主張可能であるとの判決を下しました。

商品形態模倣における未発売商品の「他人の商品」該当性と応用美術の著作物性に関する知財高裁判決(「加湿器」事件)について

未発売の加湿器と類似形態の商品の輸入・販売行為について、知的財産高等裁判所は、平成28年11月30日、未発売であっても商品形態模倣における「他人の商品」に該当すること、及び、応用美術としての著作物性について、高度の美的鑑賞性は必要ないものの、鑑賞の対象となり得る美的特性を備えなければならないことを判示しました。

商標権侵害罪は抽象的危険犯にあたるとした広島高裁判決(ロールペーパ―刑事事件)について

広島高等裁判所第1部(多和田隆史裁判長)は、本年10月4日、商標権侵害罪の刑法上の性質につき、抽象的危険犯にあたるとの判断を示しました。

商標登録無効審判(不成立審決)における職権証拠調べと意見聴取の必要性に関する知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、本年(平成28年)10月11日、商標登録無効審判において不成立審決の根拠となる証拠を職権で調べた際に当事者に意見を申し立てる機会を与えなかった事案について、審決の取消事由となる手続の瑕疵に該当するとの判決をしました。

商標権の行使が権利濫用と認められた東京地裁判決(「極真空手」事件)について

分裂した団体(極真会館)の分派の一つが、もとの団体が使用していた周知の商標につき商標登録をした上で、同じ商標を使用するたの分派に権利行使することが権利の濫用と認められました。

フランク三浦事件判決について

フランク三浦事件判決(知財高判平成28年4月12日)に触れてみたいと思います。この判決は、「フランク三浦」の商標の登録が許されるかが争われた事件で、いくつかの論点がありますが、ここでは、「フランクミュラー」との類否の判断に関する部分を取り上げます。

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