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イノベンティア・リーガル・アップデート

年別アーカイブ: 2024年

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

「AI時代の知的財産権検討会 中間とりまとめ」の公表について

令和6(2024)年5月、政府の「AI時代の知的財産権検討会」は「中間とりまとめ」を公表しました。現時点の実務において、生成AIと知的財産の関係についてガイドラインとしての役割を果たす資料となります。本稿では、「中間とりまとめ」において整理がされた法的な論点のうち、知的財産権を中心にご紹介します。

「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」について

「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」 が令和6年6月27日に公表されました。この中間整理は、個人情報保護法の次期改正のたたき台になるものと思われます。本稿では、当該中間整理の内容を確認していきたいと思います。

「Nepal Tiger」の標準文字商標は商標法3条1項3号にも同法4条1項16号にも該当しないとした「Nepal Tiger」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(東海林保裁判長)は、令和6年(2024年)4月11日、「Nepal Tiger」の文字を標準文字で表してなり、指定商品を第27類「じゅうたん、敷物、マット、ラグ、ヨガ用マット、織物製壁紙、壁掛け(織物製のものを除く。)」とする商標についての商標登録出願にかかる拒絶査定不服審判の審決取消訴訟において、原審決を取り消す判決をしました。同商標出願は、商標法3条1項3号及び同法4条1項16号を理由として拒絶査定を受けていたところ、本判決は、「Nepal Tiger」の語は一体の造語であって、取引者・需要者が指定商品に係る商品の産地、販売地又は品質を表示したものと認識するとはいえず、また、ネパール産のトラ柄のラグ等以外の指定商品に使用されても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないと判断しています。

クレームの数値範囲を備えた実施例がない発明について技術常識に基づきサポート要件の充足を認めた「鋼管杭式桟橋」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(本多知成裁判長)は、令和6年/2024年1月23日、サポート要件違反を理由とする特許庁の無効審決を取り消す判決をしました。特許請求の範囲に記載された数値範囲を備えた実施例が明細書に記載されていない発明について、特許庁はサポート要件に違反するとの判断をしましたが、本判決は、明細書の記載と技術常識に基づいてサポートが認められるとし、無効審決を取り消しました。

製法に明確性要件違反ありとして特許無効審判における不成立審決を取り消した「セレコキシブ組成物」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第4部(宮坂昌利裁判長)は、令和6年3月18日、特許無効審判の不成立審決に対する取消訴訟において、プロダクトバイプロセスクレームは不可能・非実際的事情の存在が要求されるが、本件においては、不可能・非実際的事情を検討する以前の問題として、「セレコキシブ粒子が、ピンミルのような衝撃式ミルで粉砕されたものであり、」と規定されたプロセス部分「本件ピンミル構成」」の記載が不明確であるとして、特許無効審判における不成立審決を取り消す判決をしました。

景表法事件レポート(Vol.5):ステルスマーケティング告示に係る不当表示に対する初の措置命令

景表法事件レポートでは、消費者庁や都道府県による法執行(行政指導、措置命令、課徴金納付命令等)をモニターし、注目すべき事件につき皆様にご紹介いたします。 今回は、いわゆるステルスマーケティング告示に係る不当表示に対する初の措置命令(2024年6月6日)について解説します。

「AIと著作権に関する考え方について」の公表について② ~生成・利用段階、生成物の著作物性~

令和6(2024)年3月、文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会が作成した「AI と著作権に関する考え方について」が公表されました。これは、現時点の実務において、生成AIと著作権の関係についてガイドラインとしての役割を果たす資料となります。本稿では、このうち、生成AIの生成・利用段階と生成物の著作物性の整理についてご紹介します。

「AIと著作権に関する考え方について」の公表について① ~開発・学習段階~

令和6(2024)年3月、文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会が作成した「AI と著作権に関する考え方について」が公表されました。本考え方は、現時点の実務において、生成AIと著作権の関係についてガイドラインとしての役割を果たす資料となります。本稿では、このうち、生成AIの開発・学習段階の整理についてご紹介します。

平成16年改正特許法における職務発明の相当の対価請求権の消滅時効の起算点及び中断に関する「吹矢の矢」知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(東海林保裁判長)は、令和6年2月1日、平成16年改正特許法の適用を受ける職務発明の相当の対価請求訴訟において、職務発明規程が存在しない会社が就業規則における表彰の規定に基づいて発明者にクオカードを授与した事案において、その授与の時期が消滅時効の起算点となるものではなく、またその授与をもって消滅時効の中断があったとは認められないとの判断をしました。

登録商標が商標法3条1項3号に該当するとして登録無効審判における不成立審決を取り消した「くるんっと前髪カーラー」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(清水響裁判長)は、令和5年(2023年)9月7日、登録商標「くるんっと前髪カーラー」について、指定商品である「頭飾品、ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」(第26類)との関係で、商品の品質、効能等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるとし、当該商標登録は、商標法3条1項3号に基づき無効にされるべきものであるとの判断を示しました。

ファッション商品写真にかかる著作権及び著作者人格権の侵害に関するBEEPSHEEPSHAMP事件東京地裁判決について

東京地方裁判所民事第47部(杉浦正樹裁判長)は、令和5年5月18日、ファッション商品の販売のための写真の著作物について著作物性を肯定し、著作権侵害及び著作者人格権侵害を認める判決をしましたが、一部の写真については、「客観的に見て通常の著作者であれば特に名誉感情を害されることがないと認められる程度」の改変は著作者の意に反する改変とはいえないとして、同一性保持権の侵害を否定しました。

販売実績に係る表示が商品の品質誤認惹起表示に該当し不正競争と判断した生ごみ処理機事件東京地裁判決について

東京地方裁判所民事第29部(國分隆文裁判長)は、令和5年11月10日、生ごみ処理機の販売実績について事実と異なる表示をした被告の行為が、品質を誤認させる表示をしたものとして不正競争防止法2条1項20号の品質等誤認惹起行為に該当するとの判決を言い渡しました。

化学物質による労働災害防止のための新たな規制について④―情報伝達の強化等

令和4年5月31日、厚生労働省は、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令を交付しました。すでに一部については施行がされており、令和6年4月1日に完全施行されます。本稿では、上記省令による労働安全衛生規則の改正内容のうち、情報伝達の強化等について説明します。

化学物質による労働災害防止のための新たな規制について③―実施体制の確立

令和4年5月31日、厚生労働省は、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令を交付しました。すでに一部については施行がされており、令和6年4月1日に完全施行されます。本稿においては、実施体制を確立するために事業者の各事業場において対応すべきこと、その際の留意点などについて説明をします。

化学物質による労働災害防止のための新たな規制について②-化学物質管理体系の見直し

令和4年5月31日、厚生労働省は、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令を交付しました。すでに一部については施行がされており、令和6年4月1日に完全施行されます。本稿においては、化学物質管理体系の見直しに関する規制と、そのために事業者において対応すべきこと、その際の留意点などについて説明します。

化学物質による労働災害防止のための新たな規制について①―化学物質管理法制の全体像と労働安全衛生規則改正の背景・概要

令和4年5月31日、厚生労働省は、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令を交付しました。すでに一部については施行されており、令和6年4月1日に完全施行されます。この改正は、これまで国が担っていた化学物質管理の責任を事業者の自律的管理に委ねるものであり、工場などで化学物質を取り扱うメーカーなどを中心に実務的には大きな影響があります。

拒絶査定不服審判請求時の補正を却下した拒絶審決を取り消した「経皮的分析物センサを適用するためのアプリケータ」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(清水響裁判長)は、令和6年(2024年)1月22日、拒絶査定不服審判の拒絶審決に対する取消訴訟において、特許庁が、新規事項の追加の禁止及び独立特許要件の違反があるとして拒絶査定不服審判の請求と同時にした補正を却下したのは不相当であるとして、審決を取り消す判決をしました。

競合先の顧客に対する特許権侵害の通知が不正競争行為に該当すると判断した知財高裁判決について

知的財産高等裁判所民事第2部は、令和5年4月27日、競合先の顧客に対し、競合先の製品が特許権を侵害していると通知した控訴人らの行為について、正当な権利行使とは認められず、不正競争防止法違反(虚偽事実告知行為)に該当するとして、被控訴人の差止及び損害賠償請求を認容した原判決を維持しました。

令和6年個人情報保護法施行規則・ガイドライン一部改正について

令和6年個人情報保護法施行規則・ガイドライン一部改正について「個人情報の保護に関する法律施行規則の一部を改正する規則」その他ガイドラインの一部を改正する告示が2024年12月27日に公布され、2024年4月1日に施行されます。今回の改正は、漏えい等報告・安全管理措置の対象拡大、及び越境移転時の法制度の確認・情報提供におけるOECD「民間部門が保有する個人データに対するガバメントアクセスに関する宣言」の参照に関する記載を追記するものです。

不使用取消審判の取消審決に対する取消訴訟において新たに登録商標の使用の証明をすることの許否に関する「プレジャー」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(東海林保裁判長)は、令和6年(2024年)1月30日、商標登録の不使用取消審判において被請求人である商標権者が登録商標の使用の事実を証明しなければ商標登録は取消しを免れない旨規定する商標法50条2項本文の趣旨について、登録商標の使用の事実をもって商標登録の取消しを免れるための要件としつつ立証責任の分配を図ったものであって、商標権者が審決時において使用の事実を証明したことをもって商標登録の取消しを免れるための要件としたものではないとの考え方を示し、審決取消訴訟において商標の使用の事実が証明されたことを根拠として、不使用取消を認めた審決を取り消しました。

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