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イノベンティア・リーガル・アップデート

裁判例情報(特許・意匠)

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

延長登録された特許権の効力に関するオキサリプラチン事件知財高裁大合議判決

知的財産高等裁判所は、平成29年1月20日、その設立以後、11件目となる大合議判決を下しました。本判決は、過去の最高裁判決において未解決の問題として残されてきた、特許法第68条の2により延長登録された特許権の効力範囲について初めて判示するものです。

特許無効審判の審決取消訴訟において、審判と異なる主引例に基づく進歩性判断をした知財高裁判決について

知財高裁は、当事者が同意している場合には、特許無効審判の審決取消訴訟において、①「審判の対象とされた発明との一致点・相違点について審決と異なる主張をすること」、②「複数の公知事実が審理判断されている場合にあっては、その組合せにつき審決と異なる主張をすること」は許される、との判断を示しました。

プロダクト・バイ・プロセス(PBP)・クレームに関するプラバスタチン事件最高裁判決の射程を制限した知財高裁判決について

知的財産高等裁判所は、プラバスタチン事件最高裁判決におけるプロダクト・バイ・プロセス・クレームの明確性要件に関する考え方を実質的に制限する判断を示しました。

特許法167条(一事不再理)の「同一の事実及び同一の証拠」の解釈に関する知財高裁判決について

知的財産高等裁判所は、本年9月28日、特許無効審判における一事不再理を規定した特許法167条の解釈について、平成23年改正によって対世効が廃止された現在、特許無効審判の一回的紛争解決を図るという趣旨をより重視すべきであるとの判断を示しました。

誤訳訂正の訂正審判における特許請求の範囲の拡張・変更の禁止と原文明細書等の参酌の可否に関する知財高裁判決について

知的財産高等裁判所は、本年8月29日、誤訳の訂正を目的とする訂正審判における特許法126条6項(特許請求の範囲の拡張・変更の禁止)の要件適合性の判断にあたっては、翻訳文明細書等及び国際出願図面を基礎に行うべきであり、原文明細書等を参酌することはできないとの判断を示しました。

均等論における意識的除外の認定は、手続補正の目的に左右されないとの知財高裁判決

知的財産高等裁判所は、均等論の第5要件(意識的除外)は、出願人の手続補正の目的によって左右されず、補正却下後に別の補正をしたとの事実から客観的に判断されるべきであって、技術的範囲に属しないことを承認したもの,又は外形的にそのように解されるような行動をとったと評価できる場合には、第5要件を充足するとしました。

審判請求人の主張及び審理事項通知書と異なる引用発明の認定と審決の違法

知的財産高等裁判所は、特許無効審判において、審判請求人の主張及び審理事項通知書と異なる引用発明の認定を採用した不成立審決について、理由不備や審理不尽の違法はないと判断しました。

進歩性欠如の無効理由と特許法167条の「同一の事実及び同一の証拠」

知的財産高等裁判所第1部(設楽隆一裁判長)は、平成27年8月26日、特許発明と対比する対象である主引用例に記載された主引用発明が異なる場合も、主引用発明が同一で、これに組み合わせる公知技術あるいは周知技術が異なる場合も、いずれも異なる無効理由となるというべきであり、このような場合には、特許法167条にいう「同一の事実及び同一の証拠」に該当しないとの判断を示しました。

PBPクレーム(プロダクト・バイ・プロセス・クレーム)の訂正審決

プロダクト・バイ・プロセス・クレームについて、物から製造方法へのカテゴリー変更を含む訂正審判が認められました。

均等第5要件に関する知財高裁特別部判決(知財高判平成28年3月25日)について

知財高裁特別部は、単に均等発明を容易に想到できたというだけでは、均等第5要件にいう「特段の事情」にあたらない、と判断するとともに、意識的除外の根拠として、客観的・外形的に出願人に認識があったと認められるかを判断するものとし、その材料として、論文などの外部資料も考慮するものとしました。

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