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イノベンティア・リーガル・アップデート

年別アーカイブ: 2023年

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

文化庁による「AIと著作権の関係等について」

文化庁と内閣府は、令和5年5月、「AIと著作権の関係等について」と題する資料を公表し、生成AIに関する著作権の問題について基本的な考え方、現状の整理、今後の対応を示しました。

「生成 AI サービスの利用に関する注意喚起等について」

2023年6月2日に、個人情報保護委員会から「生成 AI サービスの利用に関する注意喚起等について」が公表されました。

生命科学・医学系研究に関する倫理指針におけるインフォームド・コンセントと個人情報保護法②後編

改正され、令和5年3月27日に告示された「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」におけるインフォームド・コンセントの手続等のうち、(2)「自らの研究機関において保有している既存試料・情報を研究に用いる場合」(3) 他の研究機関に既存試料・情報を提供しようとする場合に要求される手続について解説します。

許諾なく社内イントラネット上で大量に共有された新聞記事のうち内容の特定を欠くものの著作物性判断に関する東京新聞事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(大鷹一郎裁判長)は、令和5年6月8日、新聞記事をスキャンした多数の画像データを社内イントラネットで共有していたことから著作権侵害が認められた事案の控訴審判決において、報道を目的とする新聞記事が著作物と認められるためには作成者の何らかの個性が発揮されていれば足りるとする一方、その内容には様々なものがあり得ることから、新聞記事であることをもって直ちに著作物ということはできず、また、著作物であるとしても、新聞社の著作物とは限らないことから、内容を確認できない記事について著作物性を認めることはできないとの判決をしました。

2023年4月に経済産業省が公表した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のための実務参照資料」について

2023年4月、経産省は「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のための実務参照資料」を公表しました。本資料は、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」で企業に求める取組内容のうち「人権方針の策定」と「人権への負の影響の特定・評価」について、具体的かつ実務的な形で詳細な解説や事例を紹介するものです。企業の実務担当者がまず何から始めればよいかを掴みやすい資料であるため紹介します。

特許権侵害訴訟の提起が紛争の蒸し返しに過ぎないとして信義則違反を理由に訴えを却下した「AQUOS Home」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(本多知成裁判長)は、令和5年5月18日、すでに非侵害の確定判決がある製品と実質的に同一の製品について、同一の特許権に基づく損害賠償請求訴訟を提起した事案において、紛争の蒸し返すものであって訴訟上の信義則に反するとし、訴えを却下する判決をしました。

原告商標は引用商標に類似しないと、商標法4条1項11号該当性を否定し、審決を取り消した知的高等裁判所判決について(朔北カレー事件)

知的財産高等裁判所第2部(本多知成裁判長)は、令和5年3月9日、商標登録出願の拒絶査定についての不服審判を不成立とした審決の取消請求において、分離観察の上で、原告商標(朔北カレー)が引用商標に類似するものではなく、商標法4条1項11号には該当しないと判断し、審決を取り消しました。

女性用ハイヒールの靴底に赤色を付した商品に関する混同のおそれを否定した「ルブタン」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所は、昨年(令和4年)12月26日、赤い靴底を有する女性用ハイヒールの製造販売等について不正競争防止法違反が主張された事案において、周知表示混同惹起行為は、原告商品との混同のおそれがないとし、著名表示冒用行為は、著名性が認められないとして、原告らの請求を棄却した原判決を維持しました。

オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(大学編)について(2) ~大学・事業会社間のコンソーシアム契約書~

経済産業省と特許庁は、令和4年3月、「オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(大学編)」を公表し、大学と事業会社や大学発ベンチャーとの間の共同研究開発契約書、コンソーシアム契約書、ライセンス契約書の雛形及びそれらの逐条解説を提示しました。本稿では大学と事業会社との間のコンソーシアム契約書を紹介します。

オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(大学編)について(1) ~大学・事業会社間の共同研究開発契約書~

経済産業省と特許庁は、令和4年3月、「オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(大学編)」を公表し、大学と事業会社や大学発ベンチャーとの間の共同研究開発契約書、コンソーシアム契約書、ライセンス契約書の雛形及びそれらの逐条解説を提示しました。本稿では大学と事業会社との間のモデル共同研究開発契約書を紹介します。

生命科学・医学系研究に関する倫理指針におけるインフォームド・コンセントと個人情報保護法①前編

人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和5年3月2 7日一部改正版)におけるインフォームド・コンセントと個人情報保護法①総論・(1) 「新たに試料・情報を取得して研究を実施しようとする場合」

他のツイートのスクリーンショットを添付したツイートにつき引用の成立可能性を認め著作権侵害の明白性を否定した知財高裁判決について

知的財産高等裁判所は、令和5年4月13日、ツイッター上の他のツイートのスクリーンショット画像を添付して投稿したツイートについて、著作権法上の引用の要件である公正な慣行に合致し得るものであり、スクリーンショットの形で添付された投稿の著作権を侵害することが明白とは認められない旨の判決を言い渡しました。

「除くクレーム」と訂正要件に関する「ポリエステル樹脂組成物の積層体」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第4部(菅野雅之裁判長)は、令和5年3月9日、特許異議申立ての決定取消訴訟の判決において、いわゆるオープンクレームに対し、引用発明における課題解決手段であって、対象特許の発明特定事項でも願書添付書類で開示されているものでもない事項を「除く」とした訂正について、特許請求の範囲の減縮に該当し、また、新規の技術事項を導入するものではないとする判断を示しました。

単一の色彩のみからなる商標の自他商品役務識別力に関する知的高等裁判所判決について (2)ルブタン商標事件

知的財産高等裁判所第4部(菅野雅之裁判長)は、令和5年1月31日、単一の色彩のみからなる本願商標について、商標法3条2項非該当とした審決判断を支持し、原告の審決取消請求を棄却しました。

単一の色彩のみからなる商標の自他商品役務識別力に関する知的高等裁判所判決について (1)三菱鉛筆商標事件

知的財産高等裁判所第2部(本多知成裁判長)は、令和5年1月24日、色彩のみからなる本願商標について、商標法3条1項3号該当かつ3条2項非該当とした審決判断を支持し、原告の審決取消請求を棄却しました。

将来の給付を求める訴えの適法性及び商標・商品等表示にかかる役務の提供主体の認定に関する「2ちゃんねる」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(本多知成裁判長)は、本年(令和5年)1月26日、インターネット上の電子掲示板「2ちゃんねる」の創設者が、その商標権を侵害され、また、その商品等表示について周知表示誤認惹起行為・著名表示冒用行為・ドメイン名の不正使用行為をされたとして、「2ちゃんねる」の運用をしていた会社を相手取って提起した訴訟において、被告(被控訴人)に損害賠償を命じる判決をしました。

パブリシティ権を原始的に帰属させる条項等につき公序良俗に反するとし、芸能事務所による芸名の使用の差止めを認められないとした判決

東京地方裁判所第44部(飛澤知行裁判長)は、昨年(令和4年)12月18日、芸能事務所である原告が、専属契約の約定に反し芸名を使用して芸能活動を行っているとして、被告の芸名使用の差止めを求めた事案につき、当該専属契約のうち、被告のパブリシティ権を原告に原始的に帰属させる部分、及び当該専属契約の終了後も無期限に原告に本件芸名の使用の諾否の権限を認めている部分は、社会的相当性を欠き、公序良俗に反するものとして、無効であると判示しました。

添付した画像がトリミングされて表示されたツイートにつき引用の成立を認め同一性保持権侵害を否定した知財高裁判決について

知的財産高等裁判所は、令和4年10月19日、他者が著作権を有する画像を添付した投稿したツイートについて、著作権法上の引用が成立して適法である旨の判断をするとともに、添付された画像がトリミング等された状態で表示された点につき、やむを得ないと認められる改変であるとして同一性保持権の侵害を否定しました。

商標権行使につき具体的な標章ごとに権利濫用の成否を判断した「守半」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第2部(本多知成裁判長)は、令和4年11月30日、明治時代に創業された老舗と関連を有し、それぞれ「守半」の標章を商標として使用してきた2社のうち、同標章について商標登録を受けている一方が他方に対して商標権を行使した場合に、商標登録以前から使用されてきた標章またはそれと社会通念上同一といえる標章の使用を対象とする部分について、権利の濫用に該当するとの判断を示しました。他方、「守半總本舗」のように、「守半」に新たな異なる意味合いを付与した標章の使用については、権利の濫用を否定し、商標権侵害を認めています。

原告商標が商標法4条1項15号に該当することを理由に、拒絶査定不服審判請求を不成立とした審決の判断を支持した知的高等裁判所判決について

知的財産高等裁判所第4部(菅野雅之裁判長)は、令和4年11月21日、引用商標の周知性や本願商標との類似性の程度が高いことなどを理由として、原告商標が商標法4条1項15号に該当するとした審決判断を支持し、原告の請求を棄却しました。

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