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イノベンティア・リーガル・アップデート

飯島 歩 の投稿記事一覧

Innoventier Legal Update
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
 

均等論第5要件(特段の事情)に関するマキサカルシトール最高裁判決(最二判平成29年3月24日)について

最高裁判所は、均等侵害の成立に関し、容易に想到可能な均等の構成が特許請求の範囲に記載されていなかった場合に、そのような構成をあえて記載しなかったことが表示されていない限り、均等第5要件の「特段の事情」が認められないとの判断を示しました。

特許権侵害による損害額の推定に関する特許法102条2項の「利益」に消費税が含まれ得るとした知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(鶴岡稔彦裁判長)は、平成29年(2017年)2月22日、特許権侵害訴訟において、消費税法基本通達5-2-5に依拠し、特許権侵害行為によって侵害者が得た利益を特許権者の損害額と推定することを定めた特許法102条2項の「利益」に消費税が含まれ得るとの判断を示しました。

フランク三浦とパロディ商標訴訟の系譜

フランク三浦事件が最高裁判所で決着したのを受け、類否判断においてどこまで具体的な取引の実情が考慮されるか、という観点から、パロディ商標の裁判例の流れを整理してみました。

特許無効審判における冒認の主張の立証責任と求められる立証の内容・程度について

知的財産高等裁判所(第3部)は、冒認出願を理由とする特許無効審判における無効理由の立証責任は特許権者が負担する一方、求められる立証の内容や程度は、審判請求人の主張立証活動との相関関係で決まるとの判断を示しました。

先進国から途上国への輸出を目的とする医薬品の強制実施許諾に関するTRIPS協定改正議定書の発効について

1月13日、TRIPS協定の改正議定書が発効しました。この改正議定書は、いわゆるドーハ宣言を受けて、開発途上国における感染症に対処するために先進国における医薬品生産の強制実施許諾を可能にすることを目的としたもので、2005年にWTO理事会で採択され、わが国は2007年に受諾しています。

犯罪歴等プライバシー情報の検索結果の提供が違法となる基準を示したGoogle検索結果削除請求事件の最高裁決定について

最高裁判所第三小法廷は、犯罪履歴その他のプライバシーに属する事実が掲載されたウェブサイトの検索結果について、そうした事実が公表されない法的利益と検索結果を提供する理由に関する諸事情を比較衡量し、事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には検索結果の提供が違法となるとの判断を示しました。

特許無効審判の審決取消訴訟において、審判と異なる主引例に基づく進歩性判断をした知財高裁判決について

知財高裁は、当事者が同意している場合には、特許無効審判の審決取消訴訟において、①「審判の対象とされた発明との一致点・相違点について審決と異なる主張をすること」、②「複数の公知事実が審理判断されている場合にあっては、その組合せにつき審決と異なる主張をすること」は許される、との判断を示しました。

TPPと商標法・地理的表示法 – TPPと知的財産法 (3)

TPPと知的財産法シリーズ最終回は、商標法と地理的表示法に触れます。

TPPと著作権法 – TPPと知的財産法 (2)

知財分野におけるTPP関連法案の中でも特に議論を呼んだ著作権法の改正法について解説します。

音楽著作物の類似性が争われた「しまじろうのわお!」事件控訴審判決について

音楽の著作物の類似性判断が争点となった著作権・著作者人格権侵害事件の控訴審判決がありました。判決は、音楽の4要素である旋律、和声、リズム、形式のうち、旋律が中心的考慮要素となることを改めて示しました。

プロダクト・バイ・プロセス(PBP)・クレームに関するプラバスタチン事件最高裁判決の射程を制限した知財高裁判決について

知的財産高等裁判所は、プラバスタチン事件最高裁判決におけるプロダクト・バイ・プロセス・クレームの明確性要件に関する考え方を実質的に制限する判断を示しました。

TPPと特許法 – TPPと知的財産法 (1)

去る11月10日に衆議院本会議で採決されたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)関連法案について、知的財産法分野の概要を数回に分けて解説します。

著作権を侵害するツイートのリツイートにおけるインラインリンクが著作権・著作者人格権侵害に該当しないとした東京地裁判決について

東京地方裁判所は、本年9月15日、第三者の写真を許諾なく利用したツイートをリツイートする行為について、著作権ないし著作者人格権の侵害に該当しないとする判決をしました。いわゆるインラインリンクが著作権侵害に該当しないことを示した判決として参考になります。

商標権侵害罪は抽象的危険犯にあたるとした広島高裁判決(ロールペーパ―刑事事件)について

広島高等裁判所第1部(多和田隆史裁判長)は、本年10月4日、商標権侵害罪の刑法上の性質につき、抽象的危険犯にあたるとの判断を示しました。

商標登録無効審判(不成立審決)における職権証拠調べと意見聴取の必要性に関する知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(鶴岡稔彦裁判長)は、本年(平成28年)10月11日、商標登録無効審判において不成立審決の根拠となる証拠を職権で調べた際に当事者に意見を申し立てる機会を与えなかった事案について、審決の取消事由となる手続の瑕疵に該当するとの判決をしました。

特許法167条(一事不再理)の「同一の事実及び同一の証拠」の解釈に関する知財高裁判決について

知的財産高等裁判所は、本年9月28日、特許無効審判における一事不再理を規定した特許法167条の解釈について、平成23年改正によって対世効が廃止された現在、特許無効審判の一回的紛争解決を図るという趣旨をより重視すべきであるとの判断を示しました。

誤訳訂正の訂正審判における特許請求の範囲の拡張・変更の禁止と原文明細書等の参酌の可否に関する知財高裁判決について

知的財産高等裁判所は、本年8月29日、誤訳の訂正を目的とする訂正審判における特許法126条6項(特許請求の範囲の拡張・変更の禁止)の要件適合性の判断にあたっては、翻訳文明細書等及び国際出願図面を基礎に行うべきであり、原文明細書等を参酌することはできないとの判断を示しました。

リレーショナルデータベースの著作物性と侵害認定手法に関する「旅ネスプロ」事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第3部(大鷹一郎裁判長)は、本年(2016年)1月29日、リレーショナルデータベースの著作権侵害の認定において、リレーショナルデータベースの著作物性の判断における考慮要素や、複製・翻案の認定に際しての本質的特徴の直接感得可能性の判断手法を示す判決をしました。

商標権の行使が権利濫用と認められた東京地裁判決(「極真空手」事件)について

分裂した団体(極真会館)の分派の一つが、もとの団体が使用していた周知の商標につき商標登録をした上で、同じ商標を使用するたの分派に権利行使することが権利の濫用と認められました。

音楽著作物の著作権・著作者人格権の侵害認定に関する東京地裁判決について

5月19日、東京地方裁判所において、音楽の著作物について著作権・著作者人格権侵害の成否が争われた事件の判決がありました。主たる争点は、2つの楽曲の間に同一性・類似性があるか、また、原告の作品に依拠していたか、という2点で、結論として、類似性がないことを理由に請求が棄却されています。

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