本年(2018年)5月18日、第196回通常国会の参議院本会議において「著作権法の一部を改正する法律」が成立し、同月25日、平成30年法律第30号として公布されました。改正著作権法は、デジタル・ネットワーク技術の進展に対応し、新たに生まれる様々な著作物の利用ニーズに的確に対応するほか、教育の情報化への対応、障害者の情報アクセス機会の充実、アーカイブの利用促進を目的としています。

なお、ビッグデータの利用促進については、「不正競争防止法の改正(「限定提供データ」の新設)について」もご参照ください。

ポイント

骨子

本年(2018年)5月18日、「著作権法の一部を改正する法律」が成立し、同月25日に公布されました。

改正著作権法は、デジタル・ネットワーク技術の進展により、新たに生まれる様々な著作物の利用ニーズに的確に対応するため、著作権者の許諾を受ける必要がある行為の範囲を見直し、情報関連産業、教育、障害者、美術館等におけるアーカイブの利活用に係る著作物の利用をより円滑に行えるようにすることを趣旨としています。

主要な改正項目は、大きく以下の4つからなり、下記2については公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日に、その他については平成31年(2019年)1月1日に、それぞれ施行されます。

  1. デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備(第30条の4、第47条の4、第47条の5等関係)
  2. 教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備(第35条等関係)
  3. 障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限規定の整備(第37条関係)
  4. アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定の整備等(第31条、第47条、第67条等関係)

改正法の概要

法律名 著作権法の一部を改正する法律
法律番号 平成30年法律第30号
成立日 平成30年5月18日(第196回通常国会)
公布日 平成30年5月25日
施行日 平成31年1月1日(上記2については公布の日から起算して
3年を超えない範囲内において政令で定める日)

解説

著作物の保護の構造と改正法の位置付け

著作権法の目的

著作権法第1条は著作権法の目的を以下のように定めています。

この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

つまり、著作権法は、「公正な利用」と「権利の保護」のバランスのもとで文化の発展に寄与することを目的とする法律であり、権利者が有する著作権の内容を規定するだけでなく、その権利を制限し、公正な利用を実現するための例外も規定しています。

著作権の内容

著作権法は、著作権の具体的内容として、同法21条から28条に、権利者が占有する利用行為が列挙しています。例えば、絵画や書籍をコピーするのは複製権(21条)、音楽をテレビやネットで配信するのは公衆送信権(23条)、ビデオをレンタルするのは貸与権(26条の3)で保護されます。こういった個々の権利は支分権と呼ばれ、著作権の実体は、支分権の束といわれます。

他方、本を読むなどの使用行為は列挙された支分権の中にありません。支分権として定められていない行為は著作権法上自由であるため、通勤途中などに本を読んだりすることは、著作権法違反にはなりません(公に口述する場合には、著作権法24条により、著作権者の許諾が必要です。)。

このように、著作権法は、限定列挙された行為のみを規制する法律であり、まずはこの点で保護と利用のバランスが図られているといえます。

著作権の例外とは

さらに、著作権法は、支分権に規定された行為であっても、一定の要件を満たす場合に適法とする例外規定をおいています。こういった規定は、権利制限規定とも呼ばれ、著作権法30条以下に列挙されています。

代表的なものとしては、家庭内で使用することのみを目的として複製をしたり(30条)、他の著作物で公正に引用したりするような場合(32条)がこれにあたります。

なお、権利制限規定によって利用行為が適法とされる場合であっても、無償で使えるとは限らず、利用内容によっては補償金の支払いが発生する場合があります(34条2項等)。

フェア・ユースとは

著作権の例外は、適用要件が個別かつ具体的に定められ、また、実際の運用においても、要件の充足が厳格に要求されています。これは、著作権法に関する国際的な取決めであるベルヌ条約の第9条2項や、TRIPs協定の第13条が、権利の例外を定める要件として、「特別の場合」であることを求めていることと整合的であるといえます。

他方、米国の著作権法には、フェア・ユースと呼ばれる包括的な例外規定があります(米国著作権法107条)。同規定は、「批評、解説、ニュース報道、教授(教室における使用のために複数のコピーを作成する行為を含む)、研究または調査等を目的とする著作権のある著作物のフェア・ユース(コピーまたはレコードへの複製その他106条に定める手段による使用を含む)は、著作権の侵害とならない」と定め、フェア・ユースにあたるか否かの判断における考慮要素として、以下の4つを例示しています。

  • 使用の目的および性質(使用が商業性を有するかまたは非営利的教育目的かを含む)
  • 著作権のある著作物の性質
  • 著作権のある著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性
  • 著作権のある著作物の潜在的市場または価値に対する使用の影響

フェア・ユース規定は、イスラエル、台湾、フィリピン、シンガポールなどで導入されており、韓国にも類似の規定があるほか、英国やニュージーランドの著作権法には、利用目的を限定したフェア・ディーリングと呼ばれる規定が置かれています。

フェア・ユース規定は、適用の「要件」を具体的に規定するのではなく、考慮する「要素」を例示しているにとどまるため、適用範囲に不明確なところがあり、適用の可否がしばしば争いになる一方、柔軟性があるため、技術や社会の変化にも対応しやすく、我が国でも導入すべきか否かが長らく議論されています。

平成30年改正法の位置付け

平成30年改正法の主要な改正項目は、例外規定の拡充を目的とするもので、この意味において、現代社会のニーズに対応し、保護と利用のバランスを調整するものといえます。また、現代的な著作物の利用形態を著作権者の利益への影響という観点から体系的に分類し、影響が軽微なものについては、フェア・ユースほど広汎な総合考慮を許容するものではないものの、実態に応じて利用を柔軟に許容する考え方も導入されています。

改正項目

平成30年改正著作権法の主要な改正項目は、以下の4つです。

  1. デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備(第30条の4、第47条の4、第47条の5等関係)
  2. 教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備(第35条等関係)
  3. 障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限規定の整備(第37条関係)
  4. アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定の整備等(第31条、第47条、第67条等関係)

文化審議会著作権分科会における利用制限規定の分類

文化審議会著作権分科会では、今回の改正の対象となった利用制限規定を、「権利者の利益を通常害さないと評価できる行為類型」(第1層)、「権利者に及び得る不利益が軽微な行為類型」(第2層)、「著作物の市場と衝突する場合があるが、公益的政策実現等のために著作物の利用の促進が期待される行為類型」(第3層)に分類し、各層に該当するものとして、以下のような例を挙げています。

第1層 コンピューターの内部処理のみに供されるコピー等
セキュリティ確保のためのソフトウェアの調査解析等
第2層 所在検索サービス
情報解析サービス
第3層 引用、報道、教育
アーカイブ
障害者による情報アクセス

第1層では、コンピュータにおけるキャッシュの生成や障害防止、保守、バックアップといった目的のほか、技術開発や実用化、人工知能開発における深層学習(ディープラーニング)、サイバーセキュリティ対策といった目的のための情報利用が想定されています。これらの利用においては、著作物はもっぱらコンピュータの内部処理で利用されるにとどまるため、類型的に著作権者の経済的利益を侵食しない利用態様と考えられます。

第2層が想定しているのは、インターネット上のデータから特定の情報の所在を検索したり、あるいは、情報解析を行ったりすることを目的とする利用態様で、第1層と同様、AIやビッグデータといった現代的技術環境を前提としたものといえます。情報解析の例としては、論文の盗用の発見などが挙げられています。こういった利用態様は、検索結果の表示に際して複製ないし翻案された著作物が提供されるなど、著作権者の利益に影響しないわけではありませんが、その影響は軽微なものといえます。

これらに対し、第3層は、著作権者の経済的利益に影響を及ぼすものであることを前提としつつ公益の観点から権利を制限する、伝統的な権利制限規定の類型といえます。

デジタル化・ネットワーク化の進展への対応(ビッグデータの活用等)

最初の改正項目である「デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備」は、今回の法改正の目玉ともいえるもので、以下の2点をその目的としています。

  • 著作物の市場に悪影響を及ぼさないビッグデータを活用したサービス等のための著作物の利用について、許諾なく行えるようにすること
  • イノベーションの創出を促進するため、情報通信技術の進展に伴い将来新たな著作物の利用方法が生まれた場合にも柔軟に対応できるよう、ある程度抽象的に定めた規定を整備すること

具体的な改正条文で主要なものは、第30条の4、第47条の4、第47条の5の3つです。

第30条の4(著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)

改正著作権法第30条の4は、情報利用に関する規定をまとめ、より包括的に、「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用」についての規定となりました。例えば、音楽の著作物を視聴する(思想または感情を享受する)ことを目的とするのではなく、録音や音響技術の開発に用いたり、ビッグデータの中に存在する情報としての音楽データを解析対象としたり、コンピュータで音声情報を処理したりする場合がこれにあたります。

こういった利用態様は、著作者の利益を通常害することがなく、上記の分類では「第1層」に該当するため、柔軟な権利制限を許容しやすい類型ということができます。

そのため、この規定は、開発・実用化、情報解析、情報処理といった類型を列挙しているものの、これらを例示列挙に位置付け、適用対象を限定していません。これにより、基礎研究なども含まれるようになるほか、将来の技術の発展により、新たな利用ニーズが生じた場合に柔軟な対応を可能にするものといえます。

他方、但書では、著作権者の利益を不当に害する場合には権利行使が可能になることを定め、権利保護と利用のバランスが図られており、実質的には、フェア・ユースに類似した総合判断の余地を設けたものといえます。

なお、この規定が設けられたことに伴い、現在の第34条の4(技術の開発又は実用化のための試験の用に供するための利用)や第47条の7(情報解析のための複製等)は、新設のこの規定に吸収されました。その際、現行47条の4との関係では、現行規定が権利制限の対象となる利用行為として「記録又は翻案」のみを対象としているのに対し、改正法では、「いずれの方法によるかを問わず、利用することができる」とされ、機械学習ないし情報解析において複数の関係者が関与する場合にも情報を利用しやすくなりました。また、立法過程においては、新たに但書が置かれたことによって、従来できたことができなくなるのではないか、との懸念もありましたが、「著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(参議院文教科学委員会)第2項において、「現行法において権利制限の対象として想定されていた行為については引き続き権利制限の対象とする立法趣旨を積極的に広報・周知すること」が決議されています。

(著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)

第三十条の四 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

一 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合

二 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第四十七条の五第一項第二号において同じ。)の用に供する場合

三 前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラムの著作物にあつては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合

第47条の4(電子計算機における著作物の利用に付随する利用等)

改正著作権法第47条の4は、コンピュータにおける情報の効率的な処理や保守・バックアップなどに関する規定をまとめたもので、「著作物の電子計算機における利用を円滑又は効率的に行うために当該電子計算機における利用に付随する利用に供することを目的とする場合」について、上記の改正第30条の4と同様、具体的な利用態様を限定しない包括的な規定を置くとともに、但書で著作権者の利益に配慮した構造となっています。これも、「第1層」に該当する類型について、柔軟な例外適用を可能にしたものといえます。

この規定が置かれるにあたり、現在の第47条の4(保守、修理等のための一時的複製)、第47条の5(送信の障害の防止等のための複製)、第47条の8(電子計算機における著作物の利用に伴う複製)、第47条の9(情報通信技術を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用)がこの規定に吸収されています。

(電子計算機における著作物の利用に付随する利用等)

第四十七条の四 電子計算機における利用(情報通信の技術を利用する方法による利用を含む。以下この条において同じ。)に供される著作物は、次に掲げる場合その他これらと同様に当該著作物の電子計算機における利用を円滑又は効率的に行うために当該電子計算機における利用に付随する利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

一 電子計算機において、著作物を当該著作物の複製物を用いて利用する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされる著作物を当該送信を受信して利用する場合において、これらの利用のための当該電子計算機による情報処理の過程において、当該情報処理を円滑又は効率的に行うために当該著作物を当該電子計算機の記録媒体に記録するとき。

二 自動公衆送信装置を他人の自動公衆送信の用に供することを業として行う者が、当該他人の自動公衆送信の遅滞若しくは障害を防止し、又は送信可能化された著作物の自動公衆送信を中継するための送信を効率的に行うために、これらの自動公衆送信のために送信可能化された著作物を記録媒体に記録する場合

三 情報通信の技術を利用する方法により情報を提供する場合において、当該提供を円滑又は効率的に行うための準備に必要な電子計算機による情報処理を行うことを目的として記録媒体への記録又は翻案を行うとき。

2 電子計算機における利用に供される著作物は、次に掲げる場合その他これらと同様に当該著作物の電子計算機における利用を行うことができる状態を維持し、又は当該状態に回復することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

一 記録媒体を内蔵する機器の保守又は修理を行うために当該機器に内蔵する記録媒体(以下この号及び次号において「内蔵記録媒体」という。)に記録されている著作物を当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該保守又は修理の後に、当該内蔵記録媒体に記録する場合

二 記録媒体を内蔵する機器をこれと同様の機能を有する機器と交換するためにその内蔵記録媒体に記録されている著作物を当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該同様の機能を有する機器の内蔵記録媒体に記録する場合

三 自動公衆送信装置を他人の自動公衆送信の用に供することを業として行う者が、当該自動公衆送信装置により送信可能化された著作物の複製物が滅失し、又は毀損した場合の復旧の用に供するために当該著作物を記録媒体に記録するとき

第47条の5(電子計算機による情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等)

改正著作権法第47条の5は、検索や解析における情報利用について例外を認めたもので、所在検索サービスや情報解析サービスをめぐる著作権法上の問題をクリアするためのものといえます。

この類型は、上記分類の「第2層」に相当するもので、著作権者の利益への影響がないとはいえないものの、通常軽微であるものといえます。法文上も、規定の適用要件として、「当該公衆提供提示著作物のうちその利用に供される部分の占める割合、その利用に供される部分の量、その利用に供される際の表示の精度その他の要素に照らし軽微なものに限る。」との要件が付されています。

本条でも、但書において著作権者の利益を不当に害する場合には適用がないことが明記されていますが、「第1層」にあたる第30条の4や第47条の4とは異なり、行為類型は限定列挙とされています。つまり、新規技術などによって将来新たな同種の利用ニーズが生じたときは、法改正によって対応する必要があることとなります。

なお、この規定の創設に伴い、従来の第47条の6(送信可能化された情報の送信元識別符号の検索等のための複製等)はこの規定に吸収され、削除されました。

(電子計算機による情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等)

第四十七条の五 電子計算機を用いた情報処理により新たな知見又は情報を創出することによつて著作物の利用の促進に資する次の各号に掲げる行為を行う者(当該行為の一部を行う者を含み、当該行為を政令で定める基準に従つて行う者に限る。)は、公衆への提供又は提示(送信可能化を含む。以下この条において同じ。)が行われた著作物(以下この条及び次条第二項第二号において「公衆提供提示著作物」という。)(公表された著作物又は送信可能化された著作物に限る。)について、当該各号に掲げる行為の目的上必要と認められる限度において、当該行為に付随して、いずれの方法によるかを問わず、利用(当該公衆提供提示著作物のうちその利用に供される部分の占める割合、その利用に供される部分の量、その利用に供される際の表示の精度その他の要素に照らし軽微なものに限る。以下この条において「軽微利用」という。)を行うことができる。ただし、当該公衆提供提示著作物に係る公衆への提供又は提示が著作権を侵害するものであること(国外で行われた公衆への提供又は提示にあつては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知りながら当該軽微利用を行う場合その他当該公衆提供提示著作物の種類及び用途並びに当該軽微利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

一 電子計算機を用いて、検索により求める情報(以下この号において「検索情報」という。)が記録された著作物の題号又は著作者名、送信可能化された検索情報に係る送信元識別符号(自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号をいう。)その他の検索情報の特定又は所在に関する情報を検索し、及びその結果を提供すること。

二 電子計算機による情報解析を行い、及びその結果を提供すること。

三 前二号に掲げるもののほか、電子計算機による情報処理により、新たな知見又は情報を創出し、及びその結果を提供する行為であつて、国民生活の利便性の向上に寄与するものとして政令で定めるもの

2 前項各号に掲げる行為の準備を行う者(当該行為の準備のための情報の収集、整理及び提供を政令で定める基準に従つて行う者に限る。)は、公衆提供提示著作物について、同項の規定による軽微利用の準備のために必要と認められる限度において、複製若しくは公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。以下この項及び次条第二項第二号において同じ。)を行い、又はその複製物による頒布を行うことができる。ただし、当該公衆提供提示著作物の種類及び用途並びに当該複製又は頒布の部数及び当該複製、公衆送信又は頒布の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

施行期日(改正項目1)

改正項目1については、平成31年1月1日に施行されます。

コメント

今回解説した改正事項は、デジタル技術、ネットワーク技術の進展に応じて従来つぎはぎ的に規定されてきた事項を体系的に整理したのみならず、その性質に応じて、著作権者へのインパクトという観点から分類し、その程度に応じた柔軟性を付与した点で、従来の権利制限規定とは一線を画した、非常に意欲的かつ将来に向けても意義の大きな改正と思われます。

他方、柔軟性に伴い、適用範囲に関する予見可能性の低下も危惧されるところですが、この点については、今後文化庁によるガイドラインの作成が予定されています(「著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」第2項)。

次回は、改正項目の2(教育の情報化への対応)、3(障害者の情報アクセス機会の充実)、4(アーカイブの利用促進)について解説します。

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(文責・飯島)