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平成16年改正特許法における職務発明の相当の対価請求権の消滅時効の起算点及び中断に関する「吹矢の矢」知財高裁判決について
2024年5月18日 裁判例情報(特許・意匠) 神田 雄 (33)
知的財産高等裁判所第3部(東海林保裁判長)は、令和6年2月1日、平成16年改正特許法の適用を受ける職務発明の相当の対価請求訴訟において、職務発明規程が存在しない会社が就業規則における表彰の規定に基づいて発明者にクオカードを授与した事案において、その授与の時期が消滅時効の起算点となるものではなく、またその授与をもって消滅時効の中断があったとは認められないとの判断をしました。
販売業者による商標の剥離抹消や商品名の変更につき商標権侵害等の成立を否定した「ローラーステッカー」事件大阪高裁判決について
2022年8月10日 裁判例情報(商標・不正競争) 神田 雄 (33)
大阪高等裁判所は、令和4年5月13日、メーカーが製品に付した商品名と別の商品名を卸売業者が付して当該製品を販売した事案において、当該メーカーが付した商品名が商標登録前である場合の不法行為の成立と、商標登録後である場合の商標権侵害の成立を共に否定する判決を言い渡し、製造業者が自ら付した商品名を流通過程で変更されることを防ぐためには、予め商品名の変更を禁止する旨の合意等が必要である旨の原判決の判断を維持しました。
ウクライナ情勢の背景と今後の展開 (3) ー ロシアにおける並行輸入が可能に
2022年7月22日 外国法制(ロシア) アザマト シャキロフ (10)
ロシアは、2014年のクリミア併合以降、日本や欧米等から一定品目の輸入制限に関する大規模な経済制裁を受けており、2022年2月24日のウクライナ侵攻により、輸出禁止・規制品目リストが大幅に増加され、日常生活に至るまで多大な影響を受けました。これによって、ロシア国内で必要な商品・製品の欠如を避けるために、ロシアが並行輸入を正式に合法化したことについて、本稿で解説したいと思います。
販売業者による商品名の変更につき不法行為及び商標権侵害を否定した「ローラーステッカー」事件大阪地裁判決について
2022年2月25日 裁判例情報(商標・不正競争) 神田 雄 (33)
大阪地方裁判所は、令和3年11月9日、メーカーが製品に付した商品名を卸売業者が変更して当該製品を販売した事案において、当該商品名が商標登録前である場合の不法行為の成立と、商標登録後である場合の商標権侵害の成立を共に否定する判決を言い渡し、製造業者が自ら付した商品名を流通過程で変更されることを防ぐためには、予め商品名の変更を禁止する旨の合意等が必要である旨の判断を示しました。
ロシア知的財産法 (6) — 商標権の処分に関する契約の概要と商標権の譲渡及び担保設定
2021年7月15日 外国法制(ロシア)実務ノウハウ(知財・IT) アザマト シャキロフ (10)
ロシアで商標を移転することによって、事業者は、商標の売却から利益を享受したり、事業活動の領域を拡大したり、投資家を誘致したり、企業合併したり、外国企業との取引により税金対策を企画したりする目的がよくみられます。本稿では、その商標を移転することによって、適用されるロシア民法の一般的な規定、商標移転に関する契約種類、契約要件や関連する手続などについて解説します。
ソフトウェアの画面が不正競争防止法2条1項3号の「商品の形態」に該当し得ることを認めた「教育用教材ソフト」事件東京地裁判決について
2018年12月25日 裁判例情報(商標・不正競争) 溝上 武尊 (32)
平成30年8月17日、東京地方裁判所民事第40部は、教育用教材に関するソフトウェアに対する不正競争防止法上の商品形態模倣行為の成否が問題となった事案について、判決を言い渡しました。請求棄却判決ではあるものの、東京地裁は、ソフトウェアの画面が同法2条1項3号の「商品の形態」に該当し得ることを明言しました。
民法改正と知的財産関連契約(2) – 消滅時効
2018年1月24日 実務ノウハウ(知財・IT) 飯島 歩 (129)
消滅時効は、今回の債権法改正によって大きく変わる部分といえます。具体的には、細かな例外が多かった時効期間の考え方が相当程度統一される一方、時効の起算点が客観的起算点と主観的起算点に分類され、それぞれについての時効期間が定められました。また、紛争解決を目的とする契約交渉において利用価値のある、協議を行う旨の合意による時効の完成猶予の制度が設けられました。
民法改正と知的財産関連契約(1) – 意思表示の効力発生時期
2018年1月11日 実務ノウハウ(知財・IT) 飯島 歩 (129)
平成29年(2017年)の債権法の大改正に伴い、知的財産関連契約がどのような影響を受け、日々の業務において何を留意する必要があるのかを、連載で解説します。第1回は、意思表示の効力発生時期を取り上げます。
プライバシー侵害に基づく慰謝料請求に関するベネッセ個人情報流出事件最高裁判決について
2017年10月25日 裁判例情報(サイバー法)裁判例情報(プライバシー) 松下 外 (17)
2017年(平成29年)10月23日、最高裁判所第二小法廷は、2014年の個人情報流出事件によるベネッセの顧客に対する損害賠償責任を否定した大阪高裁判決を覆し、精神的損害の有無等について審理を尽くさせるべく、事件を差し戻しました。