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ネットワーク関連発明の構成要素となるサーバの一部が海外にあっても国内での実施行為の存在を肯定したドワンゴ事件最高裁判決について
2025年4月9日 裁判例情報(特許・意匠) 飯島 歩 (132)
最高裁判所第二小法廷(草野耕一裁判長)は、令和7年(2025年)3月3日、ネットワーク関連発明を構成するサーバが海外にあるために、我が国における実施行為といえるかが争われた事案において、日本国内の端末で効果を生じ、サーバが日本国外にあることに特段の意味がないこと、及び、特許権者に経済的な影響を及ぼさないというべき事情がないことを根拠に、実質的に我が国の領域内で実施行為が行われていると評価するのが相当であるとの判断を示しました。
動画配信システムにおけるサーバが日本国外に設置されていた場合において特許権侵害の成立を認めた知財高裁大合議事件判決について
2023年9月20日 裁判例情報(特許・意匠) 町野 静 (38)
知的財産高等裁判所は、令和5年(2023年)5月26日、「コメント配信システム」とする特許権の侵害の成否が問題となった事案において、原判決を変更し、被疑侵害者の動画配信システムにおけるサーバが日本国外に設置されていた場合において特許権侵害の成立を認める判決をしました。
海外に設置されたサーバから日本国内への配信行為が行われていた場合において日本国内における特許権侵害の成立を認めた知財高裁判決について
2022年11月11日 裁判例情報(特許・意匠) 町野 静 (38)
知的財産高等裁判所(本多知成裁判長)は、令和4年(2020年)7月20日、海外に設置されたサーバから日本国内への向けた特許発明の技術的範囲に属するプログラムの提供が行われていた事案において、当該提供行為は、その一部に日本国の領域外で行われる部分があるとしても、これを実質的かつ全体的に考察すれば、日本国の領域内で行われたものと評価するのが相当であると判断し、これが日本国特許法2条3項1号の「提供」に該当するとし、日本国内における特許権侵害の成立を認める判決をしました。
被告の動画配信システムにおけるサーバが日本国外に設置されていた場合において特許権侵害の成立を否定した東京地裁判決について
2022年10月27日 裁判例情報(特許・意匠) 町野 静 (38)
東京地方裁判所は、令和4年(2020年)3月24日、物の生産に該当するためには、特許発明の構成要件の全てを満たすものが日本国内において新たに作り出されることが必要であることを理由として、被告の動画配信システムにおけるサーバが日本国外に設置されていた場合において特許権侵害の成立を否定する判決を出しました。