月別アーカイブ: 2017年9月
イノベンティア・リーガル・アップデートでは、有益な法律情報をいち早くピックアップし、分かりやすく解説します。
実施可能要件とサポート要件の関係について触れた葉酸代謝拮抗薬組合せ療法事件における知財高裁判決について
2017年9月27日 裁判例情報(特許・意匠) 飯島 歩 (126)
知的財産高等裁判所第4部は、本年2月2日、サポート要件の判断手法や、実施可能要件とサポート要件の関係に触れた判決をしました。
ユニットシェルフの形態が不正競争防止法上の商品等表示に当たるとした東京地裁判決(無印良品ユニットシェルフ事件)について
2017年9月21日 裁判例情報(商標・不正競争) 町野 静 (35)
東京地方裁判所は、2017年8月31日、原告の製品とデザインの類似するユニットシェルフを販売していた被告に対して、同ユニットシェルフの譲渡等の差し止め及び廃棄を命じる判決を出しました。本判決は、商品の形態が不正競争防止法2条1項1号の「商品等表示」に該当するための判断基準として、コメダ珈琲事件等で示された従来の基準を踏襲する一方、一般的に機能的な形態と考えられるユニットシェルフが「商品等表示」に該当することを認めた点で、実務上意義があると思われます。
AIビジネスによる特許権侵害の存否に関する東京地裁判決(freee対マネーフォワード事件)について
2017年9月5日 裁判例情報(特許・意匠) 松下 外 (17)
東京地裁は、freee株式会社(原告)がマネーフォワード株式会社(被告)に対して提起した特許権侵害に基づく差止等請求を棄却しました。ITベンチャー企業間の訴訟として耳目を集めた本件ですが、AI関連ビジネスが採りうる特許戦略の在り方を検討する上で参考となる事件です。
特許権の侵害訴訟において訂正の再抗弁が認められるための要件を確認した東京地裁判決について
2017年9月4日 裁判例情報(特許・意匠) 町野 静 (35)
東京地裁は、特許権侵害訴訟の無効の抗弁に対する訂正の再抗弁が認められるための4つの要件を示した上で、再抗弁の成立を認めました。この4要件についてはすでに過去の裁判例でも言及されていましたが、本判決はその内容を確認したものといえます。