タグ : 権利濫用の抗弁
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貸画廊を交互に使用する当事者間における画廊名の商標権行使が権利濫用にあたるとした「GALLERY ART POINT」事件知財高裁判決について
2022年9月5日 裁判例情報(商標・不正競争) 飯島 歩 (129)
知的財産高等裁判所第1部(大鷹一郎裁判長)は、令和4年6月30日、共同で建物を賃借し貸画廊を営んでいた夫婦(後日離婚成立)が、その後の関係悪化により、交互に画廊を使用する旨の合意をしていた状況において、紛争が顕在化した後に画廊の商号を含む標章についてそれぞれ商標権を取得し、相互に権利を行使した事案において、いずれの権利行使も権利の濫用にあたるとする判決をしました。
独占禁止法との抵触を理由に特許権行使が権利濫用に当たるとした原判決を覆した「トナーカートリッジ」事件知財高裁判決について
2022年8月30日 裁判例・審決例情報(独禁法)裁判例情報(特許・意匠) 溝上 武尊 (32)
知的財産高等裁判所第1部は、令和4年3月29日、電子部品が取り替えられたトナーカートリッジの再生品に対する特許権行使の可否が問題となった事案において、独占禁止法との抵触を理由に電子部品に関する特許権の行使が権利濫用に当たるとした原判決を覆し、権利濫用の成立を否定して、特許権者の請求を一部認容しました。
再生品の製造等を制限する仕様が独禁法に抵触し特許権行使が権利濫用に当たるとしたトナーカートリッジ事件東京地裁判決について
2020年12月25日 裁判例情報(特許・意匠) 溝上 武尊 (32)
東京地方裁判所は、本年(令和2年)7月22日、プリンタメーカーがトナーカートリッジ再生品の製造等を仕様上制限したうえで、当該仕様に係る部品を取り替えたカートリッジを製造販売した業者に対して特許権侵害を主張した事案において、メーカーの行為が独禁法上の取引妨害であり、特許権行使が権利濫用であると判断しました。