竹下 慎吾 の投稿記事一覧

「スキニーラベル」に関する誘引侵害を否定した米国最高裁Hikma v. Amarin判決について
2026年9月14日 裁判例情報(特許・意匠) 竹下 慎吾 (3)
米国最高裁判所は、本年(2026年)6月4日、スキニーラベル(先発医薬品の複数の用途・適応症のうち、特許が存続している特定の用途を添付文書から除外し、特許が切れた部分のみについて後発医薬品の承認を得る方法)を用いて市場参入した後発医薬品メーカーによる誘引侵害(induced infringement)の成否が争われた事件において、全員一致で、連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)の判決を破棄する判決を言い渡しました。この判決は、後発医薬品メーカーHikma社が当該用途について誘引侵害を行ったとするAmarin社の主張を一応合理的(plausible)に成り立つとしていたCAFCの判決を破棄し、事件を差し戻すとともに、誘引侵害の成否は、医師が後発医薬品メーカーの表示等を侵害の指示・奨励として読み得るか(受け手の視点)ではなく、後発医薬品メーカーが積極的に侵害を奨励したか(行為者の視点)によって判断すべきであることを明確にしたものです。
存続期間の延長登録がされた医薬用途発明に係る特許権侵害訴訟(アミティーザ®事件)の地裁判決について
2026年4月8日 裁判例情報(特許・意匠) 竹下 慎吾 (3)
大阪地方裁判所第21民事部(松川充康裁判長)は、本年(令和8年・2026年)3月3日、存続期間の延長登録がされた医薬用途発明に係る特許権に基づく差止請求を棄却する判決を言い渡しました。本判決は、先行処分(分量24μg)に基づく延長登録の存続期間満了後において、当該先行処分とは分量のみが異なる後行処分(分量12μg)に基づく延長登録がされた医薬用途発明に係る特許権の効力範囲をどのように解釈すべきかという問題について一定の判断を示したものです。なお、本判決に対しては、原告により控訴が提起されています。
存続期間の延長登録がされた医薬用途発明に係る特許権侵害訴訟(「止痒剤」事件)の知財高裁判決について
2025年9月2日 裁判例情報(特許・意匠) 竹下 慎吾 (3)
知的財産高等裁判所第2部(清水響裁判長)は、本年(令和7年・2025年)5月27日、存続期間の延長登録がされた医薬用途発明に係る特許権に基づく損害賠償請求を一部認容する判決を下しました。本判決は、特許発明の技術的範囲における有効成分の意義、延長登録された医薬用途発明に係る特許権の効力範囲、及び延長登録の延長期間等について判示するものです。なお、本判決に対しては、被告両名から上告および上告受理の申立てがなされています。



