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一挙解説! 知財部員が知っておくべき職務発明制度の全知識
法制度の概要、職務発明規程整備の要点、訴訟対応まで
知財実務情報Lab. 主催
内 容
青色発光ダイオードに関する404特許事件。この特許に関する職務発明の相当の対価請求訴訟において、東京地方裁判所が企業に200億円の支払いを命じたのは、2004年1月のことでした。この判決は巨額の支払い命令が目を引き、その後の職務発明狂騒曲ともいうべき状況を生みましたが、実は、その背景には、前年2003年4月のピックアップ装置事件最高裁判決がありました。法解釈の面では、当時のパンドラの箱を開いたのは、むしろこの判決であったといえます。
ピックアップ装置事件最判は、会社が支払った職務発明の補償金が特許法上の「相当の対価」に不足するときは、発明者は、会社に対してその不足額の支払いを求めることができる、としたものです。一見当たり前のようですが、当時の特許法のもと、「相当の対価」は会社の職務発明規程で決まるものではなく、紛争になった場合には裁判所が決めるしかありませんでした。そのため、判旨は、実質的に、発明に対する対価の決定について企業の自治を否定し、裁判所がその権限を持つ、ということを意味していたのです。
企業にとって、職務発明に対する補償金は研究開発コストにほかなりません。その額を裁判所が決定するとしたピックアップ装置事件最判のインパクトは大きく、政府の司法制度改革推進本部知的財産戦略本部は、翌2004年には特許法の改正を行い、また、企業も急速にその対応を進めました。しかし、改正法が適用されるのは改正法施行後に会社が取得した職務発明に限られるため、その後も、旧法の下、堰を切ったように多くの訴訟が現れることになりました。
今年は、ピックアップ装置事件最判から20年の節目の年にあたり、旧法適用事案の減少に伴い、職務発明を巡る訴訟も大幅に減少しています。少し時間を遡ると、職務発明に関する特許法35条は、2004年の改正の後、2015年にも再度の改正が行われ、それをきっかけに、改めて多くの企業が職務発明制度の見直しを行いましたが、各社の職務発明制度の設計思想にも変化が表れていると感じられます。
本セミナーでは、過去20年あまりの間に、細かな相談も含めると100社以上の職務発明制度に関与してきた講師の経験に基づき、企業実務に即しつつ、特許法上の職務発明制度の変遷と、ガイドラインも含めた解釈、裁判例の傾向を紹介し、現行法の元でのリスクを整理しつつ、最近の傾向を踏まえた職務発明規程整備の要点及びリスク管理ないし訴訟対応についてお話します。
開催要領
日 時 | 2024年7月5日 13:00-17:00 (このセミナーは終了しました。) |
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場 所 | Zoomによるオンラインセミナー |
登壇者 | 講師: 飯島 歩 弁護士法人イノベンティア シニア・パートナー |
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