著作・出版詳細情報 知的財産法 独占禁止法
特許権行使に対する独占禁止法に基づく権利濫用の抗弁
―トナーカートリッジ事件知財高裁判決の分析―
知財管理73巻2号212頁(2023) / 判例と実務シリーズ:No.536
内 容
本件では、リサイクル事業者が使用済みのカートリッジの電子部品を取り替えて再生品を製造販売した行為がプリンタメーカーの電子部品に係る特許権を侵害するか否かが問題となりました。リサイクル事業者は、プリンタメーカーがカートリッジの電子部品に講じた措置により、そのままトナーを再充填してもプリンタ上でトナーの残量表示が「?」となってしまうため、これを避けるために電子部品を取り替えていました。東京地裁判決は、プリンタメーカーの行為が競争者に対する取引妨害に該当するなどとしてリサイクル事業者からの独占禁止法に基づく権利濫用の抗弁を認めましたたが、知財高裁判決は、原判決を覆し、権利濫用を否定しました。判断の分かれ目は主に事実評価の違いにありますが、知財高裁判決には製品設計行為の不当性について特許権者に有利な判断基準を示したように読める部分もあります。メーカー企業にとって製品設計行為は事業の根幹に関わる活動であり、そのような判断基準は望ましいものといえます。
概 要
種 別 | 雑誌・紀要その他の書籍掲載記事 PDF |
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弊所執筆者 | 溝上 武尊・著 弁護士法人イノベンティア パートナー |
掲載書籍 | 知財管理73巻2号212頁(2023) |
連載・特集名 | 判例と実務シリーズ:No.536 |
出版年月 | 2023年2月 |
法律分野 | 知的財産法 独占禁止法 |
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